▽To fill something with nothing ページ21
人気のない廊下、歩く彼奴を見つけた何故か嬉しくなった。
全然関わりもない、ましてや嫌いな部類の彼を見て嬉しくなった。
「見つけた！」
そう叫ぶと彼は振り向く。苦しそうな顔をして……
2人で空き部屋に入る。
しばらく沈黙が訪れる……
「なぁ、俺の事避けてただろ。」
「バレてた？」
「当たり前だろ。いつもいるくせにいきなり居なくなりやがって。」
顔が見れない
「なんでそんなに探してたわけ？」
「それは……これを返すため」
持っていたハートを彼の方に突き出す
「これだけのために？」
返される冷たい声に、胸が締め付けられる。
違う。これだけじゃない。言え、言うんだ！
「さ、避けられてるの……なんか、嫌だったから……。」
消えそうなくらい小さな声で言った言葉だった。
弱々しくて。女々しい
「ごめん。」
耳元で囁かれる。そこで初めて自分が抱きしめられていることに気がついた。
「え、ちょ、しんぺい神」
鼓動が早くなる。今にも心臓が飛び出そうだ。顔が熱くて熱みたいな感覚に襲われる。
「ごめん。そんなふうに思ってたなんて知らなかった。ごめん。俺、兄さんのこと……好きになったみたいなんだ」
あ、まずい魔法が……
そう思った時にはもう遅くて教室が、机が、椅子が消えかかる。
「しんぺい神ごめん！俺の魔法が！お前まで消えちゃ「消えないよ」」
「よく見て？俺は消えてない。消えないよ。」
たしかにしんぺい神は消えていなかった。魔法は確かに発動してしまっているのに……なんで
「俺の力は創造だよ？舐めてもらっちゃ困る。」
そう言うと、しんぺい神は教室を元通りに創造してしまった。
「大丈夫。おれは消えない。お前が何かを消しても。俺がまた作ってやる。……だから」
「だから、俺と一緒にいてくれ！」
あぁ、神様。あんたはいじわるだな。こんなやつを造りやがって……
今あいつは1番欲しい言葉をくれた。だったら俺も最高の言葉で返そう。
「あぁ、俺もお前が好きだ。」
──────────
ー拝啓お母様ー
俺にもやっと大切な人が出来ました。
五月蝿くて、人気で、明るくて、俺とは正反対で。
でも、俺が1番欲しかった言葉をくれました。
今度2人で家に帰りたいと思います。
待っててくださいね。
ー兄ー
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夜雨(プロフ) - ルインさん» ありがとうございます(TT)ほんとうにありがとうございます！！ (2020年6月26日 0時) (
レス) id: 1ce0c5d0c9 (このIDを非表示/違反報告)
ルイン(プロフ) - 大好きです!!(大声)大!!好!!き!!で!!す!!(大声)(大切な事なので2回目)←最高の作品をありがとうございます!!(めっちゃ大声)←← (2020年6月26日 0時) (レス) id: d94c10afc6 (このIDを非表示/違反報告)
YOSAME(プロフ) - アアアアアさん» この今日聞いた瞬間相棒組しか思いつかなくて衝動買いしてしまいました(照)いえいえ！！楽しんでもらえたなら何よりです！！！ (2020年4月1日 16時) (レス) id: 1ce0c5d0c9 (このIDを非表示/違反報告)
アアアアア - 最初から曲パロ！この曲知ってる人少ないから，，ありがとうございます！ (2020年4月1日 15時) (レス) id: 2e0228b2c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜雨 | 作成日時：2020年3月4日 10時
