三十路の恋はうまくいかない

番犬 ページ31

「ども。２人なんですけど、
　カウンターいいっすか？」



「もちろんです。
　どうぞ、上着お預かりしますね。」



「男同士でカウンターっていうのも
　おかしくね？」



「いいのいいの、
　カウンターの方が可愛いAさんの顔
　近くで見れるでしょー」



「はいはい」



「Aさんなら、今日まだっすよ。
　可愛い俺が応対させてもらいますね」



「まったく可愛くねぇよ…

　あ！そう言えばお前
　いつだったか俺のこと不審者扱いして
　Aさんに会えないようにしたろっ！」



「…何の事でしょう？
　そんな事ありました？覚えてませんね」



「くそぉぉ〜〜 絶対覚えてるだろ！」



「まぁまぁ、理落ち着けって
　菅田くん、ハイボール２ついいかな？」



「かしこまりました。」



がるるると威嚇していると
菅田の後ろから彼女がひょこっと顔を出した



『あら、
　２人ともいらしてたんですね〜！

　カウンターで仲良しですね ふふ』



「お疲れさま〜！
　Aさんの愛情たっぷりの特製ポテサラ
　１つください♡」



『はーい、かしこまりました
　新井さんは他にご注文よろしいですか？』



「なんかすんません
　んーオススメのおつまみとかあれば、
　適当にお願いしたいな」



『じゃあ新玉葱のサラダと
　菜の花の天ぷらご用意させていただきますね。


　菅田くん、中入るのであとよろしくね。』



「了解っす。」



「あー行っちゃった…
　しっかし料理が得意な女性…最高かよー」






「…まさか狙ってんすか？」



「まさかもなにも 」



「天下のKing Gnuが
　そこらの三十路女なんて相手するわけ
　ないですよね？
　女優でもグラビアアイドルでも
　若い女の子選り取りみどりですもんね」



「いやいや」



「Aさんは勘弁してくださいね。

　あの人、ああ見えて弱いんで」



そう言い捨てて、
他の客へドリンクを運びに行きやがった。


これ、マウントとろうとしてるよな。
こいつは彼女の何なんだよ…





「ははは さながら彼女の番犬だね
　理がんばれー。」

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