GameArea【オリジナル小説】 (ページ9)

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緑が見える村１ページ9

「名前にしては緑が見えませんね。」とメリーが言う。
そう、ここは緑が見える村と名前がつきながら周りは岩、岩。
大きな岩に囲まれた村。そのため、少し肌寒い。
日も落ちてきて(先程で結構な時間を取られて)段々重い雲が出てきてどんよりとした空。
これ以上行くと野宿の上に雨も降るかもしれないとこの村で一晩明かすことにした。
村で一つしかない宿屋で休む。部屋が広い割には個室が足りないので女子男子と別れて寝ることに。
食事付きでこの村でとれた「アビリアムストロベリー」を味わうことができた。
たしかこれは疲労回復してくれる貴重なアイテムだったはず…
帰り際にたくさん貰おう。
と、思いながら俺は風呂に入り寝た。

夜、深夜過ぎに鐘が鳴る。
「大蜘蛛だぁー！」
がんがんと鳴り響く音に目を覚ます、
扉が少し空いていてミニットが顔を出していた。
早く行くわよ、と言った。

それにしてもこの村、誰一人逃げない。
おかしい。

「おかしいね、誰一人逃げない。」
ユウも同じこと思っていたのか言う。
それにメリーとミニットも頷く。
外に出て武器を構える…必要がなかった。

既に誰かが大蜘蛛を倒している。

「でいやぁぁぁぁああ！！！！」
ざしゅっと、多くもの背中に乗り勢い良く剣を差し込む。
と、同時に青白く光る魔法陣が出現し蜘蛛が燃える。
すたっ、と素早く降りて剣を蜘蛛に向けてやると更に燃えて爆発する。
男のようでその顔はまさに地獄の大将のような顔をしていた。
が、蜘蛛が完全に消えると優しい顔つきに戻る。

「蜘蛛を倒していただきありがとうございます。」
「いえいえ、困ってる人がいると助けなきゃ。
お礼の代わりにさ、アビリアムストロベリーをひと瓶、くれないかな？
気に入っちゃって…」

俺たちはただ呆然と立ちすくした。
「なんですかね…あの阿修羅のような顔してたのに次には仏顔になった人…」
「強いね…」
「やだ…かっこいい…」

「え？」

皆がミニットを見る。
そうすると手を顔の前で振り「違うよ、剣だよ剣。」といった。
確かにあの人の持つ剣はあの人の腰まででシンプルなでサインでかっこいいが。
鍵をギュッと握る。

ルシア･イグレシアス。
ランク３のレベル56。

ダイアナが手に入らなかった分こいつを…！