GameArea【オリジナル小説】 (ページ41)

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氷の道７ *クロウページ41

聞きなれた声が唱えた呪文は一定時間氷の魔法を跳ね返す炎属性の魔法のものだった。

「…呪文、間違えてた」

暗い部屋の奥から出てきたのは自分らが探していた人物。

「トウヤ…」

ユウが呟いた。
メリーなんて涙をためている。

「こんの…っ

くそトウヤァァァア！！！」

「グボゥホッ！？」

今までふるふる震えていたミニットは自分の大きな盾でトウヤを殴り倒した。
ちなみにミニットが軽々と振り回しているそれはすごく重たい。

「この！くそ！たれっ！おい！て！いく！
な！！！」

「いだっじぬ！やめ！ぐはぁっ！」

「きゃぁぁあ！トウヤがしんじゃうう！！ユウさんとめ…って、混ざらないで！！」

女子(一人抜いて)のトウヤリンチが始まった。
ルシアはニコニコしてとめようとしない。
まあ、自分もだけど。

「…トウヤ、どうしたの…って…！トウヤ！！」

暗闇の奥から新しい声が聞こえてきた。
それは、男でトウヤに駆け寄り、トウヤを組み敷いていたミニットを押した。

「何なんだお前ら…」

「ちょ、誤解してない…？」

「誤解も何もないと思うよ、こんなの見たら」

「トウヤァ…今治すから…テオ、テオシュ･チェラピア…ぐずっ」

「メリー、呪文噛み噛み。トウヤの頭が悲惨なことになったよ。」

新しい人物にも構わずの皆のマイペースぶり。
ソイツはメリーを視界に入れるとうーんと考え込み思い出したような顔した。

「あ、トウヤの言っていた仲間か…」

「それ(トウヤ)から聞いたの？」

ユウがトウヤの肩を弱く蹴りながら言った。

「うん。泣きながら話してたよ」

…泣きながら。
トウヤも何かあって辛かったんだろう。

「そういえば君名前は…？」

ルシアが聞く。

ソイツはニッと笑い親指で自分を指しながら名乗った。

「バウンティーハンターのシラギ。
シラギ･レイルスだよ。」