GameArea【オリジナル小説】 (ページ36)

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氷の道２＊クロウページ36

「あの、バカはなんなのよ！」

ドガッとミニットは大きな岩を殴った。
手、痛いだろうなぁと思っていたが反対で岩は魔物が街を壊すようにガラガラと砕けた。

どんなけなんだよ。

「いきなり、アイツはなんなのよ！

『俺、一人で行く…』って！
アホじゃないの！？

折角ここまで来たのに！おいていきやがって！」

延々とミニットの口から途切れることのないトウヤの愚痴にユウは飽きたのか彼女を背負い投げして黙らせた。

「でも、それにしても本当どうしたのでしょうかね～」

困ったような顔で頬に手を当て考えるメリー。
ルシアもどうしたのか考えていた。
ユウも気にしていない素振りをしながらも考えていた。

みんな彼のことが心配なんだ。
自分だってそうだ。
心配だ。

…そういえば、

ルシア、ユウ、ミニット、メリーは自分がトウヤと出会う前から旅をしていた。
何か知っていないだろうか。

「…自分が出会う前からトウヤと旅をしていた君たちは何か知らない？」

自分の一言にルシアとユウは知らないと答えた。
ミニットも少し考えたあと知らないと答えた。

「そういえばメリーは、トウヤと幼馴染でしょ？どうなの？」

ミニットがメリーへ話をふった。

彼女は難しい顔をしながらうーんと唸ったあとに、思い出したように目を見開き言った。

「そういえば、トウヤ、性格が変わった気がします。

彼、前は確か変態じゃなかった気がします。
活発的で馬鹿でした…！」

変態じゃないトウヤとか想像できません。

「あ！そういえば！」

メリーの言った言葉に続けてミニットが思い出したように言った。

「風の村に行く前にトウヤが何か変なこと聞いてきたんだよね！
知ってるはずなのにここはどこなのかーとかここの国の王はーとかさ！
どうしたんだろ！ボケたのかな！」

ここはどこなのか？
この国の王？

…まるで知らない地にいきなり来てしまった人だな。

『クロウ』

遠くの空から精霊が飛んできた。
それは、紛れもない自分の精霊ルナで、
彼女は無表情に自分が飛んできた空を指さした。

皆、自分らに注目している。

実は彼女にはトウヤの後を追わせていたり。

『氷の道よ』
続けて彼女は言った。
それだけ言うと彼女の透けた体はもっと透けていき見えなくなった。

「トウヤのいるところがわかった。」

自分はルナが見えなくなったことを確認してみんなに言った。
早く行こう、そう、続けた。
目指せ、氷の道、トウヤのもとへ。