GameArea【オリジナル小説】 (ページ31)

今日:3 hit、昨日:2 hit、合計:13,173 hit

花の街５ページ31

俺が武器を早く持ってくるように願っていた時、

「はあああ！！！」

俺の横をすり抜けて無謀にも武器も持たずに黒い怪獣に向かう者がいた。
さすがゲームの世界で俺たちの前でジャンプをすると黒い怪獣に向かっていった。

「無茶だ！」

ルシアが叫ぶ。
確かにそうだ。なんだろう？馬鹿なのか？
そう思い金の鍵を握り黒い怪獣に向かう男を見る。

「無茶じゃないよ」

驚いた。
同時に二つ。
一つは、いつの間にか俺達の隣に8歳くらいの幼い少女が立っていたからだ。
先程の言葉は彼女が言ったようだ。
ミニットとクロウとルシアが驚いていた。
もう一つは黒い怪獣に向かう男のレベルの高さ。
ランクはみれなかった。
武闘家、レベル85。
黒い怪獣はランク4のレベル78。
まず、黒い怪獣がどこから出てきてなんでこの街の警備隊やらなんやらが出てこないのはゲームだから仕方が無いのか、それとも、
先程視界の端で逃げていったのが警備隊なのかはまあ、考えないようにしよう。

「ほら、見てよ。」

女の子が指を指しながら言う。
丁度先程の男が上空を飛び黒い怪獣に蹴りを食らわすところだった。
ビクともしない。そう思ったが反対だった。
俺たちの魔法も効きやしなかったのに、蹴りだけで怪獣がよろけていた。

「わー！やっぱりジンさん凄いやー！」

ぴょんぴょんと飛び回る女の子。

「ねえ！ユキナちゃん、私も行っていいかなぁ？」

ぴたりと動きをやめた女の子はこの場にいない誰かに話しかけた。
俺たちが首をかしげていると俺の真後ろで声が聞こえた。

「あ、危ないんじゃないかな？」

「うわぁあ！！」

いきなりのことだったので驚いた。
水色髪の赤目の少女がたっていた。
どうやら彼女が『ユキナ』らしい。

「ええー？でもー…あ！まあいいや！私も戦っちゃおう！」

ポンッと手を叩いて言い出す女の子にミニットが慌ててとめにはいった。

「危ないよ？早く、避難した方が…」

「なめないで。」

ギラりと女の子の瞳が妖しく輝いた。
いつの間にか発せられている強い殺気にやられそう。
ミニットはうっすらと額に汗をかいていた。
クスクスと笑う女の子は先程と同じ表情なのに怖かった。