まっしろ。 ページ18
「あれ、Aさんじゃないですか？」
「本当だ。滑ってたんだ…！」
「まあ、鬼道くん達と同じくらい早いのね」
うん、重心のかけ方とタイミング。あとは、よく凹凸を把握すれば無理なく滑れる。
「A！あぶない！」
円堂くんの声が聞こえて振り向けば、雪玉に迫られてる円堂くんがいた。
これは、助けるべきなの？
ちょっと迷ってから、凹凸を利用して軽く飛び跳ねて円堂くんと雪玉を宙返りで交わせば、ばっちり見上げてた円堂くんと目が合う。
え？目が合う？合っちゃダメくない？
「円堂くん！前見て！」
「え？？うわぁぁぁ？！」
着地して、雪玉に埋もれた円堂くんの元へ滑っていけば目を回す円堂くん。
大丈夫かなあ。
「Aってスノボーも出来るんだなあ！やっぱすっげえな！」
眩い円堂くんの笑顔に一瞬目眩がした気がする。
そんな事ないよ、と雪玉から円堂くんを引っ張り出して坂を登り円堂くんにコツを教えていく。
「まずね、腰が大事なんだよ」
「え？腰？」
うん、そう。と身振り手振りで教えていれば、よくわからないという顔をされて。
「うんと、こう、こっちへ避けたい時はここ、ここをぎゅ！ってして、で、こっちの時はこっちをぐいーってして」
「うん？うんうん」
「で、ジャンブしたい時はここを、ここだよここ。ここを、こー…ぐん！ってしてねえ」
「え？あ！！じゃあ、ここをぎゅん！ぐっー！ぐわーんってことか？」
「え？どゆこと？」
思わず、指を指していた手を止めて立ち上がって円堂くんを見た。
円堂くんも私を曇りなき眼で見つめてくる。
なんで伝わらないの？と首を傾げれば、円堂くんも何が違うんだ？と首を傾げてきた。
「…ﾁｮｯﾄ ｽﾍﾞｯﾃ …ｷﾏｽ」
「え？お、おう」
円堂くんを置いて滑り出した。解せぬ。
「なあ、風丸。さっきのAの言ってたことわかった？」
「すまん円堂、お前たち2人のあの会話…おそらく豪炎寺じゃなきゃ無理だ」
「そ、そんなぁ〜！風丸〜〜！！」
頭の中を埋めつくしていた、修也くんへの事を隅に追いやって無心で走っていれば……思い出したこと。
エイリア学園。
レーゼって人が言っていた、逃げろという言葉。
どうして、私にだけ逃げろって言ったんだろう。
雪玉を交わしながら、黙々と考える。
考えたってわかんない。
だって、私は宇宙人の知り合いなんて居ない。
重心を変えて、スノボーを止めれば皆が雪合戦をしていた。おい。
「…逃げる？」
誰から？どこから？どこへ…？
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守羽(プロフ) - マナさん» コメントありがとうございます。すみません…手違いで先に続編を立ててしまった次第です。本日続編分まで合わせて更新するのでお待ち頂けたら幸いです。 (2022年8月19日 16時) (
レス) id: d0d25ba477 (このIDを非表示/違反報告)
マナ - この話の続きが気になってますが、パスワードがかかっており話が読めないのですが…… (2022年8月19日 9時) (レス) id: dac527e381 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：楸 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hisagi/
作成日時：2022年8月14日 14時
