プロミネンス。 ページ31
そうして、私はお父様との事をきっかけに
サッカーが出来なくなって、なし崩しで謹慎というか、引きこもりになって。
弱い自分がいけないんだと、全て、私が悪いんだと自分を傷付けて。
「もしかして……」
ぱっと、顔を上げればうん？と優しく首を傾げたヒートに……。
「プロミネンスは、もう……ジェネシスに選ばれることは無いんじゃ」
手が震えた。
私達はお父様に選ばれたくて、褒めてもらいたくて、たった一つ
ジェネシスを目指して来たのに。
それなのに、バーンは私を守るために傷付け、遠ざけて。
バーンに映る私はどれだけ惨めだったんだろう。
記憶を失い、サッカーを嫌がり、全てを忘れてバーンに頭を下げた私は……。
「大丈夫。俺達はプロミネンスだから」
「そう、だね……プロミネンスだもんね、」
燃え続ける、たった一つの太陽。
バーンはプロミネンスは、ずっと諦めないで挑み続けているから。
「ねえ、ヒート……1つ気になるんだけど」
部屋を出ようとしたヒートを呼び止めれば、振り向いたヒートは不思議そうに見つめて……。
「私をあの部屋から連れ出したのは…誰？｣
固く閉ざした扉。
記憶を全て、ちぎって、破り捨てて、吐き捨てた私はバーンへ「誰ですか」と言葉を放った。
グランへ、ずっと一緒に居ると笑ったのに、簡単に忘れて、
手を振り払って、嫌いだと吐き捨てた私に傷付けられたグラン。
「…それは、俺にもわからないし、バーンも知らないんだ……気付いたら君はいなかったから」
再びベッドへ横になれば、まだ、記憶がこんがらがっていて。
人は、記憶の整理をするために夢を見ると誰かが言ってた気がする。
ずっと、眠り続けていれば……要らないと切り捨てた記憶を取り戻すことは出来るのかな。
「また眠ってるのか……A。これじゃ眠り姫じゃん」
優しく触れる手が、とっても熱くて。
「思い出さなくたっていいんだ……全部忘れてもう一度笑っていれるなら、それで」
.
扉が。
開く。
つい先日まで外側からロックされていた扉が、さもご自由にどうぞ、と言わんばかりに開く。
怖い。
恐怖に慄いていても、何も変わらない。
勇気をだして踏み出して、歩き出すしかないのだ。
廊下を歩き進めれば、突き当たった先。
無数に穴の空いたサッカーグランド。転がっているのは黒いサッカーボール。
「やあ、やっと出てきたねA」
「……グラン」
柱の上から舞い降りたグランは、嬉しそうに笑った。
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守羽(プロフ) - マナさん» コメントありがとうございます。すみません…手違いで先に続編を立ててしまった次第です。本日続編分まで合わせて更新するのでお待ち頂けたら幸いです。 (2022年8月19日 16時) (
レス) id: d0d25ba477 (このIDを非表示/違反報告)
マナ - この話の続きが気になってますが、パスワードがかかっており話が読めないのですが…… (2022年8月19日 9時) (レス) id: dac527e381 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：楸 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hisagi/
作成日時：2022年8月14日 14時
