自由な君と。- 豪炎寺修也 - ep2 (ページ16)

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約束はしてない。ページ16

「お前が勝手に帰ろうとするから」
「むっ。そっちが勝手にゴーグルさん誘うからでしょ！」

ぺちん、と鞄の紐を掴んだままの修也くんの手を叩けばきょとんとしたお顔。悔しいな、顔が好きだ。

「どうかしたのか」

先を歩いてた風丸くんと半田くんが戻ってきてくれていた。悲鳴が聞こえたけど、と私の方を半田くんが伺ってくれる。しっかりと握ったままの修也くんの手を見て風丸くんは、なんだ。と

「なんだとは何よ」
「いつものことだろ。心配要らないな！じゃあな」

修也くんをじろりと睨み付ければ、しれっと視線を外されて。横のゴーグルさんに話を振る。

「鬼道、お前相当嫌われてるな」
「俺のせいなのか…？」

ふん！と2人を無視すれば風丸くん達の方面へと進む。のに。鞄の紐をしっかり掴んだどっかの誰かさんのせいで進めない。

「ちょっと」

帰れないんですが、と口を尖らせれば一緒に帰ればいいと何も理解していない様子のこの無駄にイケメンくんに心底腹が立つ。
確かに、毎回毎回約束なんてしてませんよ！当然のように一緒に帰ってるだけですよ！

もう一度、修也くんの手をぺちんと、叩いて。

「どうぞ！そのゴーグルさんと！2人！仲良く！一緒に帰れやがれです！」
「あ、おい！」
「嫌われたのはお前の方じゃないのか、豪炎寺…」

ぷりぷりとしながら急ぎ足で染岡くん達の元へ。
追いついて、声をかければ驚いた顔で修也くんを伺うものの、気にしないでいい！と頬を膨らませて歩き出す。

「途中まで一緒でしょ。たまには一緒に帰ろう」
「いいのかよ、ほんとに豪炎寺置いてきて…」

半田くんはそう言いながら心配そうに修也くんの方を見るので背中をぺしっと叩いて。見んでいい。と冷たく睨み付ければ、はいはい。と。

「豪炎寺のやつ立ち尽くしてるけどほんとに大丈夫か？」
「いいの。そもそも一緒に帰る約束なんてしてないから」

それに、ゴーグルさんと一緒に帰るみたいだから。と言葉を付け足せば3人は、あ〜っと納得した様子だった。

「忘れてたけどAほんとに知らねえ奴苦手だよな」
「苦手じゃなくて、興味無いだけだよ」
「じゃあ一緒に帰ればよかったんじゃないな？」

代わる代わる染岡くんと風丸くんに言われて、さらに頬を膨らませた。
後ろを振り向けばまだ修也くんは居て、べー！っと舌を出して許しませんよ、という事を主張しておいた。2人だけがいいのに。

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「豪炎寺、彼女追いかけなくていいのか…」
「…付き合ってないから彼女じゃない」