自由な君と。- 豪炎寺修也 - ep2 (ページ12)

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河川敷と。ページ12

雷門さんと後ろで話し込んでいた響木さんに、少し外します。と学校内から出て座り込む。
深呼吸をしていれば、は？という声が聞こえ抱え込んだ膝から顔を上げると眉間に皺を寄せた修也くんがいた。

「何してるんだ」
「ちょっと考え事。修也くんは？まだ練習中でしょ」

そういえば、遥か彼方に並んで歩く2人を視線で教える。あのジャージは恐らく音無さんだろう。隣に居るのは…誰だ。

「戻らないなら一緒に来るか」
「戻るとしても一緒に行くよ」

よいしょっと立ち上がり修也くんと並んでゆっくり歩く。2人とも結構歩くの早いんだな、そう思って修也くんを見れば眉間に皺は寄せたまま。
もくもくと2人の後を追えば河川敷に着いた。土手に座って2人が話し込む。その様子を見ていた修也くんは不意に持っていたボールをおもむろに音無さんへ向けて蹴りはなった。

えっ。怖いんですけど…。

ゴーグルさんに名前を呼ばれた修也くんは土手へ降りていく。橋の上から修也くんとゴーグルさんをずっと見守る。
パス連とは申し訳ないけど言いたくないレベル。負けを認めるのかと奮い立たせようと言葉を突き立てる修也くんはファイアトルネードを。

私は、最近気付いたのですが。
修也くんって割とと言うかガチめにスパルタですよね。物理的に。
穴が空いたのかボールはエアが抜けて萎んでしまった。それは人に向けて打ったら行けない威力のシュートだと私は思います。

くわばらくわばら、と思いながら土手まで降りていけば修也くんはゴーグルさんに「お前は円堂を正面からしか見たことないだろ」と意味深中と言葉を。

「アイツに背中を任せる気は無いか」

思わず口が開いてしまった。はっとして口を隠せば真剣な空気で。それだけ言うと修也くんは帰るぞ、と。急いで音無さんとゴーグルさんに頭を下げて潰れたサッカーボールだったものを回収する。

修也くんへボールだった物を手渡しては、雷門へ帰る。
不意に、

「私も円堂くんやゴーグルさんみたいにくよくよしてたら修也くんから、ボール飛んでくるのかな…」

一瞬ぎょっとしたような顔をした修也くんはしばらく考えてから、かもしれないなと目を細めて笑う。
それはいたずらっ子様な表情で胸がくすぐったくなった。

「じゃあ、修也くんが迷った時は私が修也くんの代わりにボール！蹴ってあげるよ！」

にひっと笑ってみせれば、その時は頼む。と少しはにかんでいた。
まあでも、修也くんがサッカーに集中出来ない時なんてほとんどないからなあ。