自由な君と。- 豪炎寺修也 -

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捏造です。* ページ8

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目が覚めたら病院で、お姉ちゃんが手を握っていて。
お母さんが先生のお話を聞いていた。

パスを受け取ったその瞬間、私は倒れたらしい。

お姉ちゃんが一生懸命、頭は痛くないのか、どこか打ってはいないか、嫌なことはないか。そんな心配をして手をずっと握っていて。

『雷門はサッカー部がないって聞いていたのに…』

そんな言葉が聞こえたりして。

「Aさん…？」

肩を揺らされ、はっと意識が戻る。
木野さんと円堂くんと話をしていたんだ。おかげで思い出した。

「ちょっと円堂くん。私、サッカーする前に倒れてますけど」
「あれえ？そうだっけ？」

うん？？と記憶を辿る円堂くん。木野さんもそんな私を誘ったのが不思議でならないけれど。

「捏造、しないでください」
「だあ～！！でもでも！！一緒にサッカーやろうぜ？？な！」

しゅんとして机に手を置き、なあ、と甘える攻撃の円堂くん。
まさか、木野さんはこの手にやられたの？そうなの？

ふと、3人で部室の片付けをしたことを思い出した

「ん～…病み上がりだしなあ。木野さんのお手伝い感覚でもいい？」

そもそも、なんで、選手前提なのか気になる。

「やった！！」
「あ、いいんだ……。ね、なんで選手として勧誘してきたの」
「え？？」

いや、部員として居てくれればそれでいい。みたいな顔をして、話をして、また放課後な～！と去っていった円堂くん。

「木野さん……私は……マネージャーなのですか」
「はい、マネージャーでいいのよ」

サッカーやろうぜ。が彼の口説き文句らしく、最初から私はマネージャー枠でした。紛らわしい誘い方をするでないよ。

一際声の大きな円堂くんが去っていくと、再び訪れた陽だまりの時間。

うん。

おやすみなさい。

「授業中は起きてね」
「うい」

先生に机をとんとんされて起きました。
長い病院生活のおかげで、眠たい時に寝る。という習慣が体に根付いてしまったようで、甘い、甘い睡眠の誘惑に逆らえない。

「いやいや、Aさんは前からよく寝てたでしょう？」

口へ運んでいたお箸からご飯が脱走した。
木野さんが何を言ってるのやら、とぱくぱくと綺麗にご飯を食べる。
脱走した白米を再び箸で捕まえてぱっくんと口の中へ。

「お昼休みとか、放課後とか。中庭とか屋上でよく丸くなって寝てたじゃない」
「んー？」

そんな記憶ないなあ。ご馳走様でした、と手を合わせていそいそとお弁当箱を片付ける。

あっ、そういう事か。

「木野さん、捏造はよくないよ」
「こらこら、事実を受け入れなさい」

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