自由な君と。- 豪炎寺修也 -

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胸騒ぎ。ページ47

帝国学園へ着き、響木さん含め皆が警戒して控え室まで進む。
木野さんの後ろをついて歩いていれば、不意に鞄を引かれる。
振り返ると修也くんがいた。
さっきまで円堂くんと並んでおりませんでしたか？

目が合っても修也くんは何も言わずにそのまま鞄の紐を掴んだまま歩き出した。

修也くんも警戒しているんでしょうか。

控え室へ着きごくり、と唾を飲んだ瞬間扉が開き赤いマントの誰かが立っていた。

「鬼道…！」

帝国のキャプテン。何で雷門の控え室から出てきたかは不明だけれど、立ち去ろうとするその人は修也くんをじっと見て…たのか。ゴーグル付けてるからわかんないよ…というか何でゴーグル付けてるんですか。

立ち去ったその人の後ろ姿を見ていると、くんっと鞄を引かれて歩き出した。やっぱこれリード扱いされてませんか。

皆は一斉に控え室の調査を始めた。
何が仕掛けられているかわからないから、と言ってシャワー室からロッカーから全部見ている。

円堂くんが鬼道は大丈夫だ、と言ってもその言葉を素直に飲み込めない皆に木野さんが気持ちの切り替えを促す。
通り際に円堂くんが小さくありがとう、と木野さんへ声をかけていた。
なんかいいな。

ユニフォームに着替えて、グランドへ向かう。
皆がアップを始める中、木野さん達と一緒に水筒やタオルの用意をする。

「円堂くん、なんか調子おかしいね」

木野さんに聞いてみると、やっぱそうよね…と。顔洗ってくると駆け出した円堂くんを見て、躊躇った木野さんに笑いかける。

「こっちは私に任せて。木野さんが行かないと」
「ありがとう！」

いつの間にか音無さんも居なくなり、響木さんも居なくなり。
雷門さんと2人きり。不意に、手招きされてグランドへ。

「どうしたの」
「円堂とほかのマネージャーは」

修也くんと風丸くんが心配そうにしていた。
円堂くんの所へ木野さん。音無さんはちょっとわかんない。と答えれば、ベンチから雑用はいやよー！と雷門さんの悲鳴が。まだ何もしてないでしょうに…。
試合、がんばろうね。と2人にガッツポーズをすると2人は目を合わせて微笑んだ。

ベンチへ戻り、雷門さんと話しながら水筒やタオルが人数分あるか確認していると宍戸くんの悲鳴が響いた。

天井からボルトが降ってきたらしい。
嫌な胸騒ぎがして、修也くんを見たけど何か考えているようで、円堂くんを見ればはっとして。

「鬼瓦刑事に届けよう」
「もうすぐ試合始まるよ」
「私が届けてくる」
「A…頼む！」