自由な君と。- 豪炎寺修也 -

今日:7 hit、昨日:13 hit、合計:27,565 hit

メイド喫茶。ページ37

「次の相手は秋葉名戸で、尾刈斗中との試合前には……」

木野さんが真っ赤になりながメイド喫茶に居たという情報をくれた。
興奮しだした目金くんがその場1番に目を輝かせて語り始めていた。

その頃の私は、快眠中でした。

裏庭のベンチで心地よい日差しと風に癒されながら目を閉じればいつの間にか夢の中で。
そして、当然のように起こしてくれる人も居ない訳で。

「こんな所に居た」
「んえ」

体を揺すられて重たい体を起こせば木野さんが困ったように私を見下ろしていた。
いつから寝てたのよ、もう。と手を引かれてベンチから立てば、まだぼやぼやする目を瞬きで整える。

「どうしたらあんな狭いベンチで落ちないで丸くなって寝れるの」
「わかんない」

部室に着けば今からメイド喫茶へ行くんだと興奮気味な目金くんに状況を説明された。
豪炎寺くんの代わりに僕が出るんです、と胸を張り一生懸命な目金くん。
皆を見てみればちょっと呆れたご様子。

うんうん、がんばってね。そう言葉にしたつもりでうにゃうにゃと修也くんの元へ。

「完全に無視して寝直したな……」

椅子に座っていた修也くんの膝に頭を預けて目を閉じれば、呆れた修也くんに頭を乱暴にかきむしられる。乱暴な扱いに不服を申し立てるつもりで睨み付ければ軽く笑われてしまい。

「俺はもう帰る。お前は皆と一緒に偵察にいくんだろ」
「そうなの？」

制服へ着替えて偵察、もといメイド喫茶へ行くことになった。
タクシーで帰る修也くんを皆で見送り、眠たい目を擦りながらメイド喫茶へ向かう。

ふと、気付いた。

「え、木野さん達は」
「あれ……Aお前着いてきてたのか」
「えっだって、修也くんが偵察行くんだろって……」

慌てて皆を見れば、あちゃーという顔。
だからちゃんと起きて話聞けよ、と染岡くんに怒られて男子の集団の中紅一点、何が楽しいのかメイド喫茶へ行くことになった。

お店の前に達、扉が開いた瞬間の皆の顔を見ればちらほら赤くなる人がいて。
先導して中へ突き進む目金くんに続いて皆も入る。

適当に空いてる席に座り、メニューを見ても容量のえないメニューばかりでどれがいいのか不明だ。

円堂くんがゴニョニョと何かを注文し、メイドさんがオーダーを繰り返した瞬間に同じものを、と声をかける。

届いたジュースは結構美味しかった。

ずこっと、ストローが空気を吸う音で何も残っていないことに気付けば円堂くんと目が合った。

「Aは豪炎寺居ないとほんとに喋らないよな」