自由な君と。- 豪炎寺修也 -

今日:26 hit、昨日:13 hit、合計:27,584 hit

雷雷軒。* ページ28

「お前…！」
「やっ」

帰り道、電柱に寄りかかっていると修也くんと円堂くん、風丸くんがきた。

「ずっと待ってたのか？」

うん、と頷けば冷えてないか、と頬に修也くんの手が伸ばされる。
大丈夫だと伝えても心配そうな手を押し退けて、お腹空かない？と後ろにいた2人に声をかける。

「いいな！ラーメンでいいか？」
「勿論！私も雷雷軒行ってみたかったんだ！」

いつも修也くんから聞いてて。何かを察したように、風丸くんが大きな声で。

「2人とも付き合ってるのか！？」
「付き合って…」

るの？と修也くんを見るとぷいっとどこか見てしまった。
余計なことを言ってしまったような風丸くん。

「私の分は風丸くんの奢りね」
「ええっ？！……って、名前覚えて……」
「？？チームメイトだもん。当たり前じゃない？」

皆の名前ちゃんと覚えてるよ？と笑いかければ、なんだ、と安心したように噂は噂だなと歩き始めた。

円堂くんと並んで歩き始めて、雷雷軒に着いてカウンター席に座る。

「俺いつもの！」

俺も、俺も、と3人とも同じものを頼む。私はメニュー何も知らないんですけど。とりあえず同じのでいいかな…そう考え込むと修也くんがどんどん注文してしまった。

いいんですけどね。

「お待ち」

出されたラーメンはなんだか私のは少なめで。
並んだ3人の分を見れば並々いっぱい。どっちだ……どっちが並盛りだ……？

「なんだ、足りないのか？」
「えっいや、」
「お前残すだろ…」

呆れたような修也くん…そんなことないよ。

「ん〜〜っ！おいし〜！！あ！味たま頂戴！」
「あ！おいっ」

自分だけずるい！と2つある内の味たまを泥棒する。これもまた美味しい。
餃子も…気になる。気になる。じいっと見つめると、何も言わずに餃子のお皿をずらしてくれて取りやすい位置へ。

「餃子うま〜っ！」
「Aは思ってた以上に感情豊かなんだな」
「ふえ？」

ぽかんとすると、風丸くんは皆か見える私を教えてくれた。
いつも寝てるし、起きてると思ったら近寄り難い雰囲気だし。豪炎寺と似てるよな。と

「私修也くんよりは喋るもん！暗くないもん！」
「暗いって…お前な」
「木野が言ってたんだよ、素っ気なくて自由きままで猫みたいって。ほんと、木野のいう通りだ」

黙々と麺をすする修也くん。ちょっとは何か言ってほしい気もする。

「口、ついてるぞ」

あ、いやそういうことじゃない。口元を拭えばそっちじゃないと、反対の口元にティッシュを押し付けられた。