神様戦―カミサマイクサ―６【気象・山】 (ページ3)

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其の参ページ3

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「にょきにょき!!」

まるで波のように押し寄せる人々を蔦や樹木が押し返す。
それでも続々と有象無象は相葉へ進む。

「なにこれ、超こわい！」

相葉は大群衆に恐れを抱きながらも戦っている。
その、すぐそばで松本は眉間に皺を寄せた。

「…ナイフが足りない」

この有象無象を倒し、さらにスミシロやイロドリノカミと戦うとなると、どう考えてもナイフの数が足りない。
この局面で、ナイフを使わずに戦うのは難しいのだ。
有象無象を一瞥し、松本は目を見開いた。

「そうか!!」

一方で相葉は戦い続ける。
蔦は鞭のように、樹木はバットのように。

「もっと、にょきにょき!!」

白い空間に生える緑は異質で、違和感と美しさを湛えている。
その緑が、うねうねと動いているのだから、実に気味が悪い光景だ。
植物たちは相葉の言霊で有象無象を吹き飛ばしていた。

「相葉くん!!」

松本の呼びかけに、相葉が答える。

「松潤!!なに!?」
「その木、俺にくれ!!」

松本の視線の先には、相葉が出現させ、有象無象によって折られた木。
それなりの太さがあり、攻撃力は高そうだ。

「いいけど、一本でいいの？」
「大丈夫。試したい事があって一回使うだけだから」
「そっかぁ、じゃ、取ってって!!」

パチンと松本が指を鳴らせば、木は重力に逆らって浮き始める。
松本は小さく笑った。