神様戦―カミサマイクサ―６【気象・山】 (ページ2)

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其の弐ページ2

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「ビリビリ！」

一人、また一人と、次々に襲いかかる有象無象。
一気に片付けようと、二宮は雷を放つ。
相手の一人が、言霊を唱えた。

「凪払え」

その瞬間、起きるのは突風。

「なっ」

見覚えのある神通力。
それもそのはず。
あの、ビルで出会った女が使っていた神通力と同じものだ。

「焼き尽くせ!!」

櫻井がその一体を消す。
しかし敵は五万といるのだ。
たかが一体倒しただけでは、有象無象に守られたスミシロに攻撃できない。
ひとつ舌打ちをして、櫻井は問う。

「ニノ、電撃でどれくらい倒せる？」
「そうですね…体力温存したいんで、せいぜい七十人が限度かと」
「充分だ。やろう」

これが通用すれば、勝てる。
そう思って二人は呼吸を合わせ、言う。

「ビリビリ!!」
「焼き尽くせ!!」

電撃と劫火が、辺りを焦がす。

「おいおい、嘘だろ…」
「なんなんだよ、これ…」

目を疑う光景が、そこにあった。

「どこから湧いてるんですか、こいつら」

倒しても倒しても、敵は蟲のように湧いて出てくる。
これではきりがない。
スミシロが愉快そうに言う。

「んふふっ、これで勝てる、とか思った？そんなワケないじゃない。貴方たちみたいな人間ごときが、神の眷属に勝とうなんて、おこがましい。本当、なんで彼は貴方たちなんかを気に入ったのかしらねぇ」

四人はお構いなしに戦う。
この有象無象を倒して、スミシロに攻撃しなければ、イロドリノカミにも大野にも会えない。

「いいよ、何度だって焼き尽くしてやるよ！」

櫻井の瞳は本気だった。