神様、みつけた≪2≫ (ページ10)

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第59話ページ10

それからあっという間に一週間がたった。

そこで緊急事態発生。

私のダンス大会よりも先に開催されるはずだったシャオジュンのコンクールが、なんと急遽会場劣化による臨時工事が始まってしまったため、予定されていた会場、日程で行えなくなってしまったのだ。

それでいて急遽決まった日付が、私のダンス大会と丸被りするという事態。

お互いに応援にいくからねなんて笑いあっていたのに、叶いそうにないことに肩を落とした。

しかし、風邪をひいていたシャオジュンのことを考えると、少しでもコンクールまでの日付が伸びたことはむしろラッキーなことかもしれない。

「シャオジュナ、私なんか急に緊張してきちゃった」

「大事な大会の前だもん、そういうものだよ」

「正直、大会の前にシャオジュンのコンクールを会場で応援するって段階があったはずなのに、急にそれがスキップされちゃったから脳が困惑してるのかも」

「俺もAの応援に行けなくて悔しい……けど、一緒に頑張れるって思えたらやる気が出ない？」

「確かに。ちょっと元気出てきたかも」

「うん、その意気だよ！Aがずっと練習してきたのは俺が知ってる。だから、明日一番に輝いてるのはAだよ」

大会とコンクールを目前に控えた学校からの帰り道。

私たちは暗くなった道をゆっくりと歩いていた。

以前はダンスの練習と勉強でぐったりしながらとぼとぼと一人歩く帰り道だったけれど、今は違う。

あの頃と同じ速度でも、その足取りは随分見違えたものだ。

当たり前のように毎日家まで送ってくれるシャオジュンの優しさが練習で追い込んだ身体と精神に染みわたってくれるようだ。

彼の笑顔と言葉には、そんな不思議な癒しの効果がある。