神様、みつけた≪2≫ (ページ6)

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第55話ページ6

「きっとすぐに良くなるよ。っていうか、私が良くしてみせるから、シャオジュンは安心して！」

彼に向き合って伝えると、彼はぱちくりと目を開けている。

「こう見えても私、誰かの看病をするのは得意なんだよ！」

空になったチョコミントの容器をもって、他に何か食べたいものある？スープとかお粥くらいなら作れるよなんて言いながら台所に向かう。

「A」

耳元で名前を呼ばれると同時に、後ろからがっちりと抱きしめられていた。

いつもより高い彼の体温が、ダイレクトに伝わってくる。

「ありがとう、A」

肩に顔を押し付けている彼の表情はわからないけど、どこまでも切実な声に鼓膜が甘く揺れた。

「あーーー、キスしたい」

「えっ」

あっという間にシャオジュンと向き合うように方向転換させられて、両頬を彼の手で包まれる。

至近距離にある彼の美しい顔に思わずきゅっと目をつむる。

しかしいつまでたっても何も起こらず、少し恥ずかしくなってゆっくりと目を開ければ。

「こんなに風邪を恨めしいと思ったことない」

熱のこもった瞳で一心に私を射抜くシャオジュンがいた。

「今更だけど、Aも大会前の本当に大事な時期だし、絶対に風邪うつせない」

ずるずると名残惜しそうに頬を包んでいた両手が離され、マスクつけてくる……なんてとぼとぼとキッチンからリビングに戻ってしまうシャオジュン。

一方私は先ほどの熱がまだじくじくと胸を焦がしていて、しばらく耳まで熱いありさまだった。