神様、みつけた≪2≫ (ページ28)

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第77話ページ28

7年の間で高校と大学を卒業し、歌手とダンサーの卵になった私たちは同棲を始めた。

正直あまり実感はなかったけれど、7年と聞くと私もシャオジュンも随分大人になったみたい。

お互いに多忙な日々を過ごしながらも、幸せで優しい日々を送っている。

「A！今度の休み、二人で久しぶりに高校行かない？」

夜、もう眠ろうとシャオジュンが先に潜り込んでいるベッドに私が潜ると、シャオジュンはいじっていたスマホ画面をこちらに見せてそう言った。

「高校？……あ、公開文化祭！」

画面を見れば、私たちが出会った母校の文化祭のチラシが表示されていた。

「A、ここ見て」

シャオジュンが指差した部分を拡大して見る。

「嘘、テンオッパが来るの？！？」

チラシには、OBの世界的ダンサー“TEN”が特別ゲストとして出演！と書いてあった。

「はは、わかってはいたけど凄い喜びようだね」

「だってテンオッパのダンスをまた見れるってことでしょ！？最近はずっと海外にいてあんまり連絡もできてないし……嬉しいよ！」

いつの間に私がテンさんのことを“テンオッパ”と呼ぶようになったかと言えば、7年前のあのダンス大会の後からだ。

テンはダンスのことに関しては本当にストイックで、その辺で開催されているステージや大会など、ダンスに関することの情報収集は欠かさない人だった。

私が出場した大会もその例外ではなく、テンは実は会場で私のダンスをたまたま目撃していたらしい。

それで大会の翌日に、クラスにテンがやってきてダンス部にスカウトされた……というワケ。

“ダンス部のテン”といえば校内の誰もが振り返るような美貌の持ち主で、学校中の憧れの的であることは有名な話だ。

そんな先輩が急に下級生のクラスにやってきて、直々に「テンは君が欲しいんだけど」なんていうものだから私含めその場にいた人は全員放心してた。

そのあとはまあそれなりに騒ぎになってしまって苦労もしたんだけど……。