神様、みつけた≪2≫ (ページ25)

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第74話ページ25

今回の自分のステージに悔いはなかった。

積み上げてきた練習と、シャオジュンと母の応援もあっていつも以上のパフォーマンスを披露できた。

だからこそ悔しいのだ。

自分ももっと高みを目指したい。

もっと広い世界に行ってみたい。

優勝できず、大会を終えてしまったら自分には何も残らないなんて過去の心配が嘘みたいに、私の思いや夢は溢れてやまなかった。

「もっとダンスを続けて、今よりもっと違う世界に歩いて行きたいの」

「お母さん、これから本当に貴方を応援するわ。やりたいことをやっている貴方が一番輝いているから……それに、Aが凄く楽しそうに踊るから、見ている人にも力をくれるっていうダジュンくんの話がよくわかったの」

お母さんはシャオジュンを見る。

シャオジュンは照れくさそうに笑ったあと、誇らしそうにだから言ったじゃないですか、と頷いた。

「私がAを守らなきゃってずっと焦っていたけれど、今はもう少し肩の力を抜くべきね。……こんなに頼もしい人がAの側にいてくれて良かった。改めてありがとう、ダジュンくん」

私たち3人は、廊下でただきゅっと抱き合った。

無機質な白く長い廊下だったけれど、どこまでも暖かい場所だった。