神様、みつけた≪2≫ (ページ3)

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第52話ページ3

午前中から大盛況を迎えた私たちのクラス。

私も随分働きこんだ。

「ええ〜もう脱いじゃったの！？」

ソアは随分と私のアラジンが気に入ってしまったのか、カメラロールにたまりに溜まった私のアラジンコス写真をずっと眺めている。

「Aは王子様をやめて、今度はプリンセスになって王子様のところにいかなきゃいけないだって」

「オッパ！」

教室に入ってきたのはクンだ。

なんとも歯が浮くようなセリフに思わず肩をすくめた。

「この子、僕が貰ってくね」

クンは私の肩を引き寄せ、まるで少女漫画みたいなセリフを吐く。

全部確信犯でやってるから、昔から質が悪いなあと思っているのは内緒だ。

「どうぞどうぞ！クン会長、Aをよろしくお願いします！……それにしても、付き合って二日目にして彼氏のために文化祭を抜け出す……青春だねA！」

すっかり乗り気なソアはこのこの～なんて言いながら肘で小突いてくる。

「ソアもオッパも、もしかして私のことからかってる……？」

「なんてこと言うの！嬉しいからにきまってるでしょ！！もうアタシの推しカプなんだからね！！シャオジュン×A！！ねえ会長！？」

「まあ、入籍の保証人が欲しいなら真っ先に声かけてってくらいかな。僕は」

早口で捲し立てるソアの勢いといつものテンションでとんでもないことを言っているクンに流石に私も完敗した。

「わかった、わかったよ私の負けです。だからあんまり妙なこと言わないで」

「負け？！何言ってるの！圧勝中の圧勝！青春不敗！！いい！？」

完全になにか変なスイッチが入ってしまったらしいソア。

仕返しに「あ、ハジュン」って彼氏の名前を呼んで錯乱攻撃をしてみた。

効果は絶大だ。

「ほらA、もうそろそろ行くよ」

「ああ、いってらっしゃいA(涙)(涙)アンタの分も出店でいっぱい食べとくからね(涙)アンタもキスくらいしてきなさいよ(涙)」

「ん゛！？ちょっ、あの、私病人看病しに行くんだけど」

「まあまあ、じゃあ会長、後は頼みます！」

そう言って教室を追いだされた私とクン。

その後は、クンが宣言通りに上手いこと立ち回ってくれ、なんとか無事に“早退”の称号を手に入れたのだった。