第66話 ページ17
その日寝る前に、窓の外を見たら随分綺麗な星空が見えた。
やけに明るいと思ったら、今日は満月らしい。
ふと窓に反射した自分の顔が目に入り、随分腫れた目元に苦笑いが零れた。
こんなんでは、明日どうなってしまうことやら……という感じだったが、不思議と不安感や緊張感はなくなっていた。
むしろ、何でもできる。そんな気持ち。
ふと、ティロリン♪と軽快な音が鳴って、【着信 Your JunJun💚】という文字がスマホの画面に映し出された。
その文字列だけで、勝手に口角が上がってしまうのがわかる。
何故シャオジュンのことをこんな名前で登録しているかは、また別な機会に。
指で軽くタップして、通話に出る。
[もしもし？]
彼の少しハスキーな声が鼓膜を揺らす。
とっても幸せな時間だ。
「もしもし」
[……夕飯はちゃんと食べれた？]
「うん、食べたよ。お母さんと一緒に」
[！……お母さんと、上手く話せた？]
「シャオジュンは全部知ってくれてたんだよね。……おかげで今までのこと、お互いに全部話し合えたよ。本当にありがとう」
本当に彼がいなかったら、こんな未来想像も出来なかった。
やっぱり、彼は私にとっての神様なのかもしれない。
[俺はちょっとお節介をしたくらいで、二人が解決できたのは二人がちゃんと向き合ったからだよ。お疲れ様、よくやったね]
「やっぱりシャオジュンは優しい」
[Aだからだよ]
ほら、やっぱりそうやってきっぱりと言い切ってくれるところがどこまでも優しい。
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作者名：もちこ | 作成日時：2023年12月29日 22時
