神様、みつけた≪2≫ (ページ13)

今日:8 hit、昨日:15 hit、合計:7,464 hit

第62話ページ13

「……まず、ごめんなさい。今までずっと……」

リビングのテーブルを挟んで向き合って腰掛けた母から告げられたのは、思いもよらない言葉だった。

「言い訳にしか聞こえないと思うけれど、私一人で焦って貴方に自分の思想を押し付けてきたわよね」

申し訳なさそうに話始める母を前に、流石に困惑する。

「ちょ、ちょっと待ってよ。急にどうしちゃったの？」

「驚くわよね。……でもAとダジュンくんを見て改めて思ったの。私が間違っていたって」

「改めて？間違い？一体なんなの？」

先ほどまで感じていた恐怖心から一変して、急に態度が変わった母に対して困惑の気持ちと段々と怒りの気持ちが湧いてきた。

まるで手のひらを急に返されたみたいで、説明してほしかった。

「実はあなたがダンスをしていたこと、知ってたの」

「え？」

「ダジュンくんとは、さっきが初めましてじゃない。彼が気を利かせて“初めまして”と言ってくれたからそう返したけれど……」

母から飛び出す言葉が想像もつかないようなものしかなく、最早私の手に負える話なのかと身を乗りだして耳を傾けた。