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第十話 「僕の為 君の為」彼岸 ページ11

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 〜蛇乃斬 來忌の朝〜



  何を言わずと目が覚める。
  イヤホンを付けたままだ…今日もか。今日こそは外さずに寝ようとしていたというのに。
 
  …こんな事をしているから偏頭痛が一向に治まらないんだよ。
  …仕方ないだろ、眠れないんだから。

  呆れた。我ながら自問自答だなんて、滑稽だ。
 やれやれとでも言わんばかりに首を振る。


  …彼女の名は蛇乃斬 來忌(ジャノザン ライキ)。17歳。
  髪は手入れは行き届いている。ただ、セットがなっていない…所々に跳ねている。
 中央の青いメッシュも、そろそろ悲鳴を上げていた。
  服装も、面倒くさい、僕にはファッションセンスがないんだ、と制服。
 白のポロシャツに黒いネクタイ…ただ、ズボンは男物のジーンズである。
  そして、これでも女であった。

  右目が黄色、左目が赤の異様な目をしばたかせ、どうにか意識を覚醒させる。
 2週間後のイベントに新刊が間に合わないからだ。

  昨夜も徹夜していた結果、また一日の多くを睡眠時間に当てることになってしまった。
 これでは早寝して規則正しい生活を送った方が作業時間は確保できるだろう。

  何日か後には発注していた7cm×7cmのアクリルキーホルダーが届く。
 缶バッジは昨日届いたし、名刺も200部新調したのだ。
 ラミネートカードは絵さえ描ければいつでも作れる。
 

  だが、グッズのみとはいかない…ッ


  …愚かな絵師は燃えていた。
  やるぞー!と大きめの声で自分に言い聞かせるように言い、目覚ましに炭酸を流し込む。
 机上のパソコンを立ち上げつつ、部屋を見渡す。


  あー…そろそろ部屋掃除しないとな…


  部屋は飲み終えたペットボトルが転がっていた。流石に濯いではあるが。
 衣服もたたんではあるが、お世辞にも綺麗とは言えない。つらい。
  後で綺麗にしてやるからな…今週何回目だ。
 だが、僕にはやることがあるのだ…乾いた笑みを浮かべて、椅子に座る。

 
  机の上の写真立てのフレームが日光に反射して、目が痛い。
 過去は眩しかった。今とどちらが幸せか、と問われると言葉が詰まる。

 今は幸せだよ。

 …写真に軽く笑いかけて、ペンを握った。

十一話 「いつも通りの朝」→←第九話 「何をしようか」麗羅★



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設定タグ:シェアハウス , ギャグ&シリアス , 募集企画   
作品ジャンル:ギャグ, オリジナル作品
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充流(プロフ) - 更新完了しました。 (2016年12月24日 8時) (携帯から) (レス) id: b6651d0bec (このIDを非表示/違反報告)
ありすと。(プロフ) - 更新しました! (2016年12月22日 23時) (レス) id: ba9db9df68 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 更新終わりました。初っ端からすごく重たくなってしまいました… (2016年12月1日 23時) (レス) id: 81e15519f4 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 遅くなってしまい申し訳ありません。今から更新します。 (2016年12月1日 22時) (レス) id: 81e15519f4 (このIDを非表示/違反報告)
出雲*弐式(プロフ) - 更新終わりました! (2016年11月26日 0時) (レス) id: 05c4b65987 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:参加作者様 | 作者ホームページ:   
作成日時:2016年10月22日 17時

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