流星群 (ページ23)

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望むものなど無い位に繋いでページ23

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「仕事は調整しとくから、この機会にちゃんと休め。」
「ありがとうございます・・ご迷惑おかけします・・。」

そう言って、マネージャーの酒井さんとの電話を切る。ーここ最近の仕事の事や、慎太郎とのこと、そして雨に打たれたせいか、慎太郎に告白をした翌日にしっかり風邪をひいてしまった。自分のメンタルの弱さに嫌気が差す。体温計がピピピ、と音を立てて「38.2℃」と知らせた。

「久しぶりだなあ、風邪・・・」

北斗が買ってきてくれた風邪グッズがこんなに早く役に立つとは、と「風邪を引いてしまったこと」と「北斗は体調大丈夫か」と「風邪グッズのお礼」をLINEで北斗に送ってからベッドに倒れ込む。熱で体が熱いのに、寒気がする。無音の中で色んなことが頭に浮かぶのに、頭が朦朧としてどれも考えがまとまらない。

酒井さんが言うように、この機会にしっかり休もうと布団をかぶって思考を停止させた。

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(Hokuto)

昨日はありがとう。
そして、雨のせいか風邪を引いてしまいました。
北斗は体調大丈夫?忙しい時に重ね重ねほんとにごめんね・・・
北斗が買ってきてくれた風邪グッズ、ありがたく使わせていただきます。

仕事が終わり、マネージャーの車の中でスマホを確認するとAからLINEが入っていた。風邪を引いてしまったと書いてあるそのメッセージはただの文字なのに、なぜか弱々しく見えた。

今は夜の21時。Aは寝ているかな・・LINE送ったら通知で起きちゃうかな・・と考えを巡らせる。でも、既読をつけた以上スルーすんのもな・・と考えた結果、赤信号で停止中、運転席のマネージャーにスマホの画面を見せた

「あのさ、ここのスーパーまで送ってもらっていい？」

昨日渡した風邪グッズだけじゃ足りないだろうと思い、マネージャーに送ってもらったスーパーで新たに買い込んで、Aのマンションに向かう道中、右手に持つスーパーの袋を客観的に見て買い過ぎだかと思う。いや、でも日持ちするものしか買ってないし、一人暮らしの風邪は心細いだろうしと言い訳を並べながらマンションに着くと、持っていたスーパーの袋を部屋のドアの前に置き、鞄の中に入っていたいらない紙に「お大事に松村」と書いてスーパーの袋の中に入れた。

「・・・キモいかな、俺・・・」

そう独り言を呟いた時、ドアがガチャリと開いて、マスクをした部屋着姿のAが扉の隙間から顔を覗かせた。