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第二話:無力 ページ9

自室に戻った私は、
ベットの上で膝を抱えた。


もうローが死んでいるのなら、
私に生きる意味は無い。


このまま死んでしまいたいと、
そう思った。


近くに置いてあった果物ナイフを手に取り、
首に当てる。



全身が震えているのが分かる、私は意を決してナイフを横に引こうとした。


でも、

「やめて」

私の腕をレイジュ(・・・・)が掴んで止めた。



ナイフを折り曲げて、私を抱き締めるレイジュ。


「やめて…!こんな事しないで…!」


抱き締めるレイジュの声は震えていて、私はとても申し訳ない気持ちになった。

震えるレイジュの背中に手を回し、強く抱き締めた。



『…ごめんなさい。』

「…ヨンジがあの話をしたんでしょ?それでこんな馬鹿な事を…」



レイジュは私を抱きしめるのをやめて、肩を強く掴んだ。

私は姉の顔を見て、驚く。


『レイジュ…泣いてるの?』


姉は泣いていた、
私と同じように下唇を噛んで、涙を流していた。


そこで私は気付いた、私は母と瓜二つ(・・・)だった事を。


私はすぐにレイジュの手を取り、強く握って謝罪する。


『貴方の前で二度としないわ、こんなこと。』

「誰の前だってするんじゃないわよ…馬鹿…」



その後私は、
泣く姉の背中を擦り、泣き止むまで膝枕をしてあげた。

いつの間にか時間が過ぎており、もう外は夜になっていた。



「…いいわね、こういうの。」

『…母さんみたい?』

「馬鹿ね、Aだからいいのよ。」



その日私たちは一緒のベットで眠りについた。

次の日いつまで経っても仕事場に来ないレイジュに、
痺れを切らしたヨンジが私の部屋に入ってきた。


折れたナイフに、一緒のベットで寝てる2人。



「おい!何してるんだお前たち!レイジュ!仕事をしろ!Aはウェディングドレスのサイズ合わせだ!呼ばれてるぞ!」


私たちは寝たフリを続けて、ヨンジが出て行くまでクスクスと布団の中で笑いながら待った。



「ふふ……ウェディングドレスだって。」

『ヨンジに似合わないセリフね。』

「…あたしが男だったら、あんたを貰ってやれたのに…」

『…いいのよ、カタクリって人も政略結婚の相手に変な事はしないと思うから。』

「……嫌になったら、私が奪いに行くからね。」

『うん…ありがとうレイジュ。』



… … …

第三話:兄との再会→←第一話:終わりの始まり



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黒山羊(プロフ) - 瑠璃さん» コメントありがとうございます!最後までありがとうございました! (2022年10月30日 0時) (レス) id: 61644a4ba4 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - 完結お疲れ様です❗とても良いお話でした(*´∀`)素敵なお話ありがとうございました❗ (2022年10月29日 23時) (レス) @page50 id: 6c259301f0 (このIDを非表示/違反報告)
黒山羊(プロフ) - kyokunarebaさん» コメントありがとうございます。嬉しいお言葉です!最後までありがとうございました! (2022年10月29日 19時) (レス) id: 61644a4ba4 (このIDを非表示/違反報告)
kyokunareba(プロフ) - 完結お疲れ様😆🎵🎵 (2022年10月29日 19時) (レス) id: 486500e958 (このIDを非表示/違反報告)
黒山羊(プロフ) - 眠さん» コメントありがとうございます!間違いの指摘とても助かります! (2022年10月23日 23時) (レス) id: 61644a4ba4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒山羊 | 作成日時:2022年10月8日 18時

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