第四十一話:強い体が欲しかった。 ページ48
「おい…火に油を注ぐような真似をするな…！」
『ごめんなさい…！まさか本当に愛してるとは思ってなくて…』
薬を使ったり、
プリンの能力を使ったり、
あんなに徹底的に洗脳をしてきたのに……
「…お前の事を愛してなかったら、普通ここまで来てないだろ。」
「混乱したビックマムを守る事の方を優先していたはずだ。」
先程までの攻撃がまるで遊びだったかのように思える。
攻撃力が増した今、ローの体の至る所が傷ついていた。
それに比べてカタクリはあまり辛そうに見えない、まだまだ余裕だという気さえしてくる。
私も彼を守りたいのに…
私のせいで、ローが沢山血を流している。
その血を見ていると、段々と体の奥から何かが燃え上がる感覚がした。
『カタクリを一発でも殴れればいいと思ってたけど…』
『ここまでローを傷つけられたら私…なんだか物凄くムカついてきたわ。』
「……A？」
私は強く手を握ると、翼を思いっきり広げた。
上からカタクリを見下ろせるようにと、高く飛ぶ。
ずっと自分の部屋でしてきた事を思い出す。
夢の中で見た大きなグリフォンになれるように、自分の体を変えれるようにと毎日練習していた。
あのお城と同じくらいに大きくなった自分を、頭に強く思い浮かべる。
「A何してるんだ！俺のそばにいろ！守れなくなる！」
ローが叫び声を上げている。
カタクリからしてみれば、今の私はローの保護下からとび出た狙いやすい場所にいる。
今すぐにでも捕まえられるはずだ。
「…俺の元に来る気になったのか？」
突拍子もない行動を始めた為、攻撃を一時中断したカタクリ。
何も言わず中に浮き続けている私に、カタクリは手を伸ばしてくる。
『いいえ…ここからが本番よ。』
私はカタクリの手を、今度は翼では無く彼と同じくらいに大きな獣の手で引っ掻いた。
カタクリが初めて、この戦場で血を見せた。
「……面白い、グリフォンと戦うのは初めてだ。」
『…私も、餅みたいな人と戦うのは初めてよ。』
さっきまで上を見上げなければ見られなかったカタクリの顔が、今や同じ高さ、すぐ目の前にある。
力が湧いてくるのが分かる、今なら何でも出来そうだ。
早速カタクリは攻撃を仕掛けてくる。
私はそれを躱し、反撃をした。
『…形勢逆転ね。』
「…そのうちまた元に戻るさ。」
まだこの身体の私に慣れていないのか、完璧に攻撃を避けるのは難しいみたいだ。
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黒山羊(プロフ) - 瑠璃さん» コメントありがとうございます！最後までありがとうございました！ (2022年10月30日 0時) (
レス) id: 61644a4ba4 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - 完結お疲れ様です❗とても良いお話でした(*´∀｀)素敵なお話ありがとうございました❗ (2022年10月29日 23時) (レス) @page50 id: 6c259301f0 (このIDを非表示/違反報告)
黒山羊(プロフ) - kyokunarebaさん» コメントありがとうございます。嬉しいお言葉です！最後までありがとうございました！ (2022年10月29日 19時) (レス) id: 61644a4ba4 (このIDを非表示/違反報告)
kyokunareba(プロフ) - 完結お疲れ様😆🎵🎵 (2022年10月29日 19時) (レス) id: 486500e958 (このIDを非表示/違反報告)
黒山羊(プロフ) - 眠さん» コメントありがとうございます！間違いの指摘とても助かります！ (2022年10月23日 23時) (レス) id: 61644a4ba4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒山羊 | 作成日時：2022年10月8日 18時
