第十四話:追憶 ページ21
〜ローside〜
初めてそいつを見た時、Aとそっくりで驚いた。
「…お前、妹が居たりしねぇか？」
サンジ
「…はぁ？なんの用だよ、腹でも減ったのか？」
「14年前の約束」
あの約束だけが、俺を繋ぎ止める。
兄を撃てなかった優しいコラさんの仇を撃つために、俺は麦わら達と同盟を組んだ。
ずっと不思議だった、あいつと良く似るお前が。
「…『A』って名前に…聞き覚えは無いか。」
ガシャン。
「…」
黒足屋は手に持っていた皿を、震えた手で落とした。
表情で分かった、こいつは
口に咥えた煙草を落として、俺に掴みかかってくる。
「お前…っ！何でAの事を！」
「…俺は14年前、Aと会っている。」
サンジは地面に膝を着け、焦った様に指で数を数え始める。
涙が、止まらない。
口を抑えて、声を押し殺している。
「良かった………生きてたんだな、A…」
「…Aはお前の妹、という事でいいんだな？」
もう一度聞くと、黒足屋は静かに頷いた。
「でもお前、Aと一体どういう関係なんだ…」
「…海に連れていくと約束した、Aは俺の物になる予定だ。」
「はぁっ！？お前！人の妹に手ぇ出しやがって！」
黒足屋は怒ってはいたが、怒りが落ち着いてくると少しづつ、Aの話をし始めた。
生まれてから、離れ離れになるまでの話だ。
子供ながらにして迫害されたAの話を聞き、自分と重ねてしまう。
やはり、俺とAは似ている。
だからこそ、その気持ちが十分に分かる。
「…敵討ちが終わったら、俺はAを迎えに行くつもりだ。」
「…14年間も、Aはお前の事をあの城で待ってるんだな。」
その時の表情に、誰かへの憎しみが滲み出ているのが見えた。
こいつもこいつで、闇を抱えてやがる。
「…14年間って、待たせ過ぎだよな。」
「当たり前だ馬鹿！不安になるだろ〜が！」
「俺にはこのクマのぬいぐるみがあるが、Aには何も持たせてやれてない。」
「お前がクマのぬいぐるみとか言うと気持ち悪いな。」
「…おい。」
黒足屋は煙草の煙を吐き出した。
「…ビブルカードでも渡してやれよ。Aはそれだけで、14年間分の寂しさなんか吹っ飛ばすさ。」
「そうだな。少しでもAを、安心させられるといいが…」
「…ま、早く会いにいけよ。お前顔から、
… … …
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黒山羊(プロフ) - 瑠璃さん» コメントありがとうございます！最後までありがとうございました！ (2022年10月30日 0時) (
レス) id: 61644a4ba4 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - 完結お疲れ様です❗とても良いお話でした(*´∀｀)素敵なお話ありがとうございました❗ (2022年10月29日 23時) (レス) @page50 id: 6c259301f0 (このIDを非表示/違反報告)
黒山羊(プロフ) - kyokunarebaさん» コメントありがとうございます。嬉しいお言葉です！最後までありがとうございました！ (2022年10月29日 19時) (レス) id: 61644a4ba4 (このIDを非表示/違反報告)
kyokunareba(プロフ) - 完結お疲れ様😆🎵🎵 (2022年10月29日 19時) (レス) id: 486500e958 (このIDを非表示/違反報告)
黒山羊(プロフ) - 眠さん» コメントありがとうございます！間違いの指摘とても助かります！ (2022年10月23日 23時) (レス) id: 61644a4ba4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒山羊 | 作成日時：2022年10月8日 18時
