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亜嵐「Aちゃーーーん……」
だいぶ話が長くなりましたが、本題に入って行きましょう。
なぜ俺だけが亜嵐"くん"と呼ばれているのか。
「なーにー。元気ないね亜嵐君」
亜嵐「Aちゃんのせい」
「えー?」
収録の合間、部屋に残ったのは俺とAちゃんだけ。
机を挟んだ向かい側に座っているAちゃんは何やらPCで作業をしているけど、俺は構わず話しかけた。
亜嵐「何で俺は亜嵐"くん"なの?」
「なにが?」
亜嵐「呼び方。裕太君も龍友君も年下のみんなは呼び捨てなのに、俺だけ亜嵐"くん"」
「何を今更」
この間、Aちゃんの目は一度も俺を見てくれない。
俺は机に顎だけを乗せてじーっと見ているのに。
まるで構ってほしいのを我慢して飼い主の仕事が終わるのを静かに待っているワンコのように。
何言ってんだ俺は。
亜嵐「ねー、なんでなのー」
「昔からそう呼んでるでしょー」
亜嵐「何で亜嵐て呼んでくれなかったんだよー」
「みんなが亜嵐君って呼んでたからだよー」
亜嵐「え、みんなに合わせたの?」
「そう」
亜嵐「何で!?」
「なんとなく、呼び捨てにしづらかった」
ちゃんと話したことはなかったし、イケメンで人気者って噂に聞いてたし、馴れ馴れしいって思われるのも嫌だった。
男の中に女1人、周りの目がただでさえ怖かったから。
Aちゃんは相変わらずPCに向かったままそう話してくれた。
亜嵐「本人が良いってんだから気にすることないのに!」
「あの頃の私にはできなかったの」
亜嵐「えー……」
「亜嵐君が呼び捨てにしてほしいならそうするけど」
そこまで言ったAちゃんがPCを閉じてこっちを向いた。
頬杖をついて俺をじっと見つめるからドキドキして思わず体を起こしたら、目の前のエンジェルが綺麗に微笑んだ。
「頼りがいのあるリーダーだけど、人懐こくて可愛いし」
亜嵐「へ?」
「イケメンなのにちょっとダサくて残念なところも可愛いし、私にとっては弟みたいに可愛いから」
亜嵐「ちょっ」
「いろんな親しみを込めて、これからも"亜嵐君"て呼びたいな〜と……いや?」
亜嵐「嫌じゃない!!」
首をかしげてニコッと笑ったAちゃんに白濱亜嵐、あっけなくノックアウトです。
俺は立ち上がって迷わずAちゃんを抱きしめました。
亜嵐「ずるいよね」
「涼太にも言われた気がする」
亜嵐「でも大好き」
「Love you ALAN」
亜嵐「……呼び捨てもいいな」
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おちば(プロフ) - Rinさん» 読んでいただきありがとうございます。楽しんでいただけるようにいろんなお話を書いて行けたらと思っておりますので、ゆっくりな更新ではありますがまたお越しください! (2019年3月30日 22時) (レス) id: bb720abd28 (このIDを非表示/違反報告)
Rin(プロフ) - gene大好きだし、こういうお話し大好きなのでめっちゃ繰り返し読んでます!これからも大変だと思いますが更新楽しみにしてます! (2019年3月29日 19時) (レス) id: 65a9f3dd22 (このIDを非表示/違反報告)
おちば(プロフ) - めぐみんさん» はじめまして。コメントをありがとうございます。更新ペースは遅めですが、色んなお話を描いてみたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 (2018年8月25日 1時) (レス) id: bb3b001e6e (このIDを非表示/違反報告)
めぐみん - はじめまして。いつもドキドキしながら読んでいます。これからの更新楽しみにしています。 (2018年8月21日 11時) (レス) id: fd1b3c055f (このIDを非表示/違反報告)
おちば(プロフ) - *玲奈*さん» コメントをありがとうございます。更新ペースは遅いですがこのままマイペースにやって行きたいと思っています。また読んでいただけたら嬉しいです。 (2018年8月10日 1時) (レス) id: bb3b001e6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おちば | 作成日時:2018年7月8日 0時