Count on me ページ39
龍友「シンプルやな〜」
お粥を食べきって薬を飲んだAは今は寝ている。
うつしたら大変だから帰れと言われたけど、会話の途中で意識飛ばすほどしんどい奴を放って帰れるわけもなく、Aの様子を伺いながらTV見たりDVD見たりして適当に過ごしていた。
思えばAの家でこうしてゆっくりするのは初めてやな。女の子の部屋やしあまりあれこれ見るのは良くないと思いつつもキョロキョロしてしまう。
壁には何枚もの写真が貼られていて、そのほとんどがダンス仲間だと思われる外国人との写真だった。AKIRAさんとの写真もあるし三代目さんとの写真もあるし、子供の頃の玲於と隼との写真もある。どれもこれもAは笑顔で写っていて、見ている自分も自然と笑っていた。
「なにしてるの」
龍友「うおおお!?びっくりしたあ!!」
振り向いたらマスクをしたAが壁に寄り掛かってこっちを見ていた。何でマスクをしてんのか聞いたら「君がしないから」やって。
龍友「なんや、どうした?」
「久しぶりに嫌な夢見ちゃった」
いくら叫んでも声は届かなくて、いくら追いかけても背中は遠ざかっていく。そのうち暗闇に包まれて次に見えたのは自分のいない世界。誰にも触れられず、声も届かず、立ち尽くすしかできない自分がそのうち消えていってしまう夢だったらしい。
「ねえ……私は、君達にとって、ひつ」
俺はその先を言わせまいと、俺の目をまっすぐに見ていたAの顔を自分の胸に押し付けるようにして抱きしめた。下がりきっていない熱のせいかAの体は少し熱かった。
龍友「絶対に必要やで。せやから風邪なんかさっさと治せ」
「龍友……」
龍友「今日は帰れって言われても帰らんで?ずっと側におるって決めた」
「それはダメ」
龍友「何でやねん!!」
「うそ笑 ありがとう」
龍友「雰囲気ぶち壊しやわ笑」
ベッドに戻って横になったAはすぐに眠った。
俺の手を握ったままのAの表情はすごく安心してるように思える。
いつも明るくて前向きなAが好きやけど時々心配になる。
人前でネガティブな部分を出さんし辛いとかしんどいとか自分から言わん。今回だって俺が来なかったら1人で全部やってたやろうし、悪夢のせいで寝れんかったと思う。
なあA、もっと頼ってくれてええねんで。俺ら全員、頼られないことの方が不安やねん。
お前には俺らの側でずっと笑ってて欲しいねんから。
龍友「我慢すんなよA……」
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おちば(プロフ) - Rinさん» 読んでいただきありがとうございます。楽しんでいただけるようにいろんなお話を書いて行けたらと思っておりますので、ゆっくりな更新ではありますがまたお越しください! (2019年3月30日 22時) (レス) id: bb720abd28 (このIDを非表示/違反報告)
Rin(プロフ) - gene大好きだし、こういうお話し大好きなのでめっちゃ繰り返し読んでます!これからも大変だと思いますが更新楽しみにしてます! (2019年3月29日 19時) (レス) id: 65a9f3dd22 (このIDを非表示/違反報告)
おちば(プロフ) - めぐみんさん» はじめまして。コメントをありがとうございます。更新ペースは遅めですが、色んなお話を描いてみたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 (2018年8月25日 1時) (レス) id: bb3b001e6e (このIDを非表示/違反報告)
めぐみん - はじめまして。いつもドキドキしながら読んでいます。これからの更新楽しみにしています。 (2018年8月21日 11時) (レス) id: fd1b3c055f (このIDを非表示/違反報告)
おちば(プロフ) - *玲奈*さん» コメントをありがとうございます。更新ペースは遅いですがこのままマイペースにやって行きたいと思っています。また読んでいただけたら嬉しいです。 (2018年8月10日 1時) (レス) id: bb3b001e6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おちば | 作成日時:2018年7月8日 0時