GENE and Gin and Tonic

Pickle ページ26

「何これ、聞いてない！！」



朝、亜嵐君と玲於と事務所に向かう車の中で前に座る亜嵐君が突然大声を上げた。
何事かと思えば亜嵐君の手には一冊の雑誌があって、ちらっと見えたのは下着姿の女の人。この人は朝から何を読んでいるんだと思ったら、それを大きく開いて見せてきた。



亜嵐「見てこれ！」

隼「ちょっと！朝からやめ……え、え？」

玲於「は？え、Aちゃん？」



下着姿の女の人はGENERATIONSのAngelこと伊月Aだった。



亜嵐「待って待って頭の処理が追いつかない」

玲於「亜嵐君ちょっと貸して！」



雑誌を奪った玲於が丁寧にページをめくっていくといろんなAちゃんがいた。
綺麗、可愛い、元気、さわやか、クール、セクシーで大人なAちゃん。そして最後に男の人に後ろから抱きしめられているAちゃん。
誰だ、誰なんだ。Aちゃんの肌に触れたこの男は誰なんだ。



亜嵐「マジかあああああ！！！」

隼「うええええ！！！」

玲於「無理。俺今日無理」



ページをめくったらまさかのよく知る人物が出現。事務所の先輩、三代目J Soul Brothersの王子である岩田剛典氏でした。



隼「ダメだよ玲於、破ろうとしないで！笑」

玲於「止めるな隼、これは無理だ」

亜嵐「俺のAちゃんが……俺の……」



どんな写真かってね、もうね、俺たちには絶対にできないやつ。

目を閉じているAちゃんのお腹に両手が回されて首筋に唇を当ててるのと、ハグされたままお互いに顔を寄せ合って笑ってるやつの見開き。破壊力が半端ない。



隼「何してんの玲於」

玲於「岩さんにLINE。詳しく話聞く」

隼「Aちゃんに怒られるよ」

玲於「黙ってればバレねぇじゃん」

隼「必要以上に騒がないって約束したじゃん」

亜嵐「これは騒いでいいやつ！TRIBE全体、否、LDH全体が騒ぐやつ！！」



確かに亜嵐君の言う通りだとは思う。Aちゃんもこうなるってわかってるだろうし、俺たちGENERATIONSだけじゃなくて確実に三代目さんにもあれこれ言われるやつだよ。今頃Aちゃんの携帯大変なことになってるんじゃないかな。それに岩さんも。



亜嵐「買い占めたい」

玲於「何言ってんの」

亜嵐「こんなAちゃんの姿誰にも見せたくない！！」

玲於「マネージャー、片っ端から」

「そんな力ないから」



こんな写真を見た後でAちゃんの顔見れると思う？
俺には絶対に無理だよ。

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