Loving brings love ページ22
健二郎「そんな顔すんなって」
頭に手を置いたらAはその手を自分の肩に回して俺に寄り掛かった。ほんま、こういうことを当たり前にやるからちょいちょいドキッとすんねん。
健二郎「誰も悪くないやろ?あいつらの気持ちがでかすぎんねん」
「勢いであんなこと言っちゃいましたけど、私の方が無理なんです」
健二郎「何が?」
「これもまた自惚れた話ですけど」
誰にでも特定の人にしか晒さない部分を持っていて、あいつ等にもAの前でしか晒さない部分がある。
そこにはAだけに話す仕事に対する思いとか姿勢とかも含まれていて、ツアー中に上手くフォローに入れることもある。男同士ではぶつかり合ってしまうこともAがフォローに入ることで落ち着いて話すことができたりする。
やきもちを妬かれて面倒なことになっても2人で過ごす時間を失くさないのは、その為なんだとAは話した。
愛が重いとか面倒とか言ってるけど、もしかしたらあいつ等がAを想う気持ちよりAがあいつ等を想う気持ちの方がでかいんちゃうかな。
健二郎「自惚れってゆうか惚気やろ!」
「ちょ!苦しいですって!」
Aの肩に回っていた腕を首に回して強めに締めてやった。やきもち妬くのはあいつ等だけじゃないんやぞと思いながらな。
健二郎「お前もあいつらの事が好きやから、言い合いとかそういうん見たくないんやろ」
「このまま話すんですか!」
健二郎「傷つけるくらいなら関わらない方がいいとか思ったんやろうけど、それが違うってこともわかってるし後悔してるんやろ」
「それは」
健二郎「思ってることはちゃんと話せ。ほんでな、お前が男でも状況は変わらんぞ」
「えっ」
健二郎「あいつらはお前の人柄に惚れてんねん。性別が変わっただけじゃなんも変わらん」
見た目も中身も全くの別人になるってんなら話は別やけどな。
そこまで話したらAは小さい声で「そっか」と呟いて首に巻き付いている俺の腕をほどいて立ち上がった。
「通りかかったのが健二郎さんでよかったです」
健二郎「誰や、最初にため息ついたんは」
「んふふ笑 ありがとうございます」
健二郎「そろそろ戻るで」
「はーい」
返事をしたAは当たり前のように俺の横に来て腰に手を回すから、俺もAの肩を抱く。よくAKIRAさんとこうやって歩いてるの見るけど、誰とでもこうなんやろうか。
なんて、俺がやきもち妬いてんの、こいつは知ってるんかな。
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おちば(プロフ) - Rinさん» 読んでいただきありがとうございます。楽しんでいただけるようにいろんなお話を書いて行けたらと思っておりますので、ゆっくりな更新ではありますがまたお越しください! (2019年3月30日 22時) (レス) id: bb720abd28 (このIDを非表示/違反報告)
Rin(プロフ) - gene大好きだし、こういうお話し大好きなのでめっちゃ繰り返し読んでます!これからも大変だと思いますが更新楽しみにしてます! (2019年3月29日 19時) (レス) id: 65a9f3dd22 (このIDを非表示/違反報告)
おちば(プロフ) - めぐみんさん» はじめまして。コメントをありがとうございます。更新ペースは遅めですが、色んなお話を描いてみたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 (2018年8月25日 1時) (レス) id: bb3b001e6e (このIDを非表示/違反報告)
めぐみん - はじめまして。いつもドキドキしながら読んでいます。これからの更新楽しみにしています。 (2018年8月21日 11時) (レス) id: fd1b3c055f (このIDを非表示/違反報告)
おちば(プロフ) - *玲奈*さん» コメントをありがとうございます。更新ペースは遅いですがこのままマイペースにやって行きたいと思っています。また読んでいただけたら嬉しいです。 (2018年8月10日 1時) (レス) id: bb3b001e6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おちば | 作成日時:2018年7月8日 0時