GENE and Gin and Tonic

Greeting ページ2

ニューヨークで生まれ育った彼女の挨拶はアメリカ流である。



「おはようございます」



キスとハグの挨拶。
とは言ってもエアーキスで頬をくっつけて、口でリップ音をたてるだけのもの。
ただ、しっかりと頬がつけられるように近づいて腕や肩を掴んだりするので互いの距離がゼロになる。



裕太「おはよ。今日もかっこええな」

龍友「おはよう」



同い年組は慣れたもので問題なくシンプルにあいさつを交わす。



涼太「おはようAちゃん」

「おはよ」

涼太「……リップの色いつもと違うね。似合ってる」

「ありがとう」



Aの頬に手を添えて優しく微笑む姿は正しく王子様。
クサいだの甘いだのヤジが飛ぶのは日常茶飯事。



亜嵐「おはようAちゃん♡」

「おはよう亜嵐君」

亜嵐「今日も綺麗だし可愛いよ」

「ありがとう」

亜嵐「んんん……癒される〜」

「相変わらずだね君は」

亜嵐「今日も愛してる♡」



亜嵐は挨拶の後のハグが長い。甘い言葉を並べるその顔はニコニコ、否、ニヤニヤしていて気持ちが悪いとこちらもヤジが飛ぶ。
それでもなかなか離れない亜嵐を離すのは大体涼太か玲於だ。



玲於「離れてください亜嵐君。おはようAちゃん」

「おはよ。いつもありがとうね」

玲於「変態には気をつけないと。亜嵐君とか龍友君とか」

龍友「とばっちりやん！！」

「んふふ。気をつけます笑 ……玲於？」

玲於「今日の亜嵐君は一段と気持ち悪かったから消毒」

亜嵐「ひどいな！？」



玲於の挨拶も基本はシンプルなものなのだが、時折こうやって少し長めのハグをする。
本人は消毒だと言っているが、彼もAの事が大好きな一人なのだからハグをしたい日だってあるだろう。
Aは何言わず、玲於自ら離れるまで抱きしめたままでいるのだ。



亜嵐「俺の時と違う！」

「玲於は可愛いから」

亜嵐「俺は！？」

「んふふ笑」





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