四訓 ページ6
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『面白かったー！』
「………」
約二時間の映画を終えうちら二人は館内を出た。その二人の表情は実に対照的なものとなっていた。
『あれ？土方さん大丈夫ですかー？』
「……ああ」
疲れきった様子で返事をする土方さん。彼をこんなにさせたのはさっきまで見ていた″ホラー映画″が原因だろう。
先日屯所に蚊の天人がいたときに発覚した土方さんの弱点。そして貰ったチケットに偶然書いてあったホラー映画のタイトル。
これはもうホラー映画を見るしかない。と思い、わざとタイトルを言わずにチケットを買ったのだ。
そして結果は予想通り。今の土方さんは意気消沈の言葉がよく似合う。凄く面白い(おい)。
『そんなに怖かったんですか？鬼の副長とも呼ばれる御方がそんなんで大丈夫ですかー？頭殴って記憶消してあげましょうか』
「俺はさっきの映画より平気で警察の前で撲殺宣言するてめぇの方が怖いわ」
『撲殺なんて酷いですね。うちはただそのマヨネーズしか詰まってないような脳の機能を停止させたいだけですよ』
「そうか。なら俺はその無駄に頭の良い脳をぶった斬ってやるよ」
そう言うと腰にある刀を抜こうとする土方さん。流石にそれは洒落にならない(お前もな)。斬られるのは嫌なのでなんとか土方さんを宥めて鞘に収めて貰った。
『土方さんの用事に付き合ったんですから今度はうちの用事にも付き合って貰いますよ』
「用事ってどこ行くんだよ」
『んー……色々？』
「お前決めてねーのかよ…」
『そうですよ。うち無計画人間なんで』
「豪語すんな」
またも頭にチョップを喰らい頭を抑える。この人加減って言葉知らんとかな。だとしたら普通にもうやばい人じゃん。
「ほら、さっさと行くぞ。どこ行くんだ」
『………』
「聞いてんのか？」
『……土方さんってなんだかんだ言って優しいですよね』
「は？どうした急に」
「気力悪ぃ」と声を漏らすと行き先も知らないはずなのに前をスタスタと歩き始める。 ホントなら、気力悪ぃ。と言われた時点で頭に蹴りをいれるのだが、ほんのり赤くなった彼の耳を見てしまうとどうにもそれが出来なかった。きっとさっきのは照れ隠しなのだろう。
土方さんの背中を見て笑みを零すと少し先にいる彼の隣まで駆け足で追いつく。スマホで行き先を検索し彼に見せる。
『最初ここ行きましょうよ』
「いいけど……お前これ逆方向だぞ」
『え』
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睡眠足りない布団好き女子(プロフ) - 茶魔さん» ありがとうございます!!もどかしい2人をこれからもよろしくお願いします笑 (2022年3月27日 17時) (
レス) id: 4363425499 (このIDを非表示/違反報告)
茶魔(プロフ) - めっちゃ良かったです。土方さんと距離が縮みそうで縮んでないような雰囲気にドキドキしました！ (2022年3月27日 15時) (レス) @page13 id: b44f6f7184 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：睡眠足りない布団好き女子 | 作成日時：2022年3月25日 23時
