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36__夢 ページ36















___「ナミ…」








 誰…

 それは私の名前…
 誰かが私を呼んでいる









___「ナミ、竹刀を持ちなさい。稽古をしますよ」




 稽古…?
 そんなのもうやってない…





『はっ…』



 え…?











『松陽…先生…?』











松陽「ええ、そうですよ。寝惚けているんですか?」










 なんで彼が目の前に…?


 おかしい…
 もう彼はこの世にはいないはずなのに…


 それにこの道場は?
 燃えてなくなったというのに…




松陽「何キョロキョロしているんですか?今日はおかしなナミですね」



「それもまた…心があっていいことです」









『せんせ…』



 あれは私の夢?
 変な夢のせい?


 ここが本物の世界?




松陽「ほら、行きますよ」



 あ…そうだ稽古…




『はい…!』






























松陽「また負けてしまいましたね」








「ナミに…」








 決まって私が勝った




 先生は動かないし
 刀は速い
 無駄な動きはしない

 先生は強い

 でも、それでも…





『…………』


 

 ____私の動きのほうが一歩上だった



 化け物だもん…私…












松陽「ナミ、聞いてますか?」




「そんなナミにも足りないものがあるのですよ?」





『?足りないもの…?』




 何が足りないというのだ
 刀の動きも足の動きも十分


 相手の動きも余地できる


 それとも稽古のこと以外?



 言葉も話せるようになったし、
 理解するようにもなった。先生を先生と呼べるようにもなった





松陽「それは…」














「____優しさです」



 
 








 いつも笑顔の先生の腕から



 血が流れ出した




 私が刀をふったところだ
 体に触れないと終わりにならないんだもの

 そういうものじゃないの…?





松陽「先生は味方ですよ?」
 


「傷つけずとも、終わりにする方法があるはずですよ?」



 え?そんなものあるの?





『なら、教えてください』





松陽「それはもう持っているはずです。他に知らなくていい。すでに体に備わっているものなのだから」

「内側から見つけてください」
















 ___それが心の優しさだということを知ったのは





 先生が首を落としてからだ




 あんなに泣いたのは初めてだった




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紅音 - 初コメ失礼します。とても面白いです!更新頑張ってください!楽しみにしています。 (2022年8月6日 14時) (レス) @page10 id: 49df10a6d1 (このIDを非表示/違反報告)
歴史クイズ - 続き楽しみにしてます! (2022年8月1日 13時) (レス) @page10 id: ce3cc772d9 (このIDを非表示/違反報告)
緋村 - 面白かったです!!!!続き下さい (2022年7月8日 22時) (レス) @page6 id: 5a52c0f3ec (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:真灯 | 作成日時:2022年7月2日 20時

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