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A「いや、ダメですって、、





小五郎さん、強盗なんてよくないですよ」






小五郎「うるせえ!黙ってろ!!」







止めに入るAの言葉など聞きもせず





小五郎は車を飛ばす







小五郎「俺はなぁ、




親に捨てられてから





ずっと人のもん盗んで生活してきたんだ





それがこんなところで失敗なんざあ





カッコ悪りぃじゃねえか」





いつのまにか出来た気の緩みは






小五郎の本音を引き出していた





A「ずっとって、、、





小さい時からずっとですか?」





小五郎「けっ、、、





悪りぃかよ、





これが悪いことだって知ったときは





もう遅かったんだよ





もう、今更、やめられねえんだよ」





A「悪いことを悪いって思えないなんて




可哀想、、、、チーズお食べ」





(ばっ





小五郎「ぶっ、、、!?!




おい、てめえ、なにすんだよ!!」





Aは運転中の小五郎の口にチーズを詰め込む





A「これ食べたら冷静になれるかなって




あ、ここ右でお願いします」






小五郎「冷静に…って





てめえの頭が冷静になれよ!!




っていうか右ってなんだよ!!」





A「人間、善が全てじゃないけど




それでも、悪を悪だと思わないのは腐ってるよ






つぎ、あの信号左で」






小五郎「そんなの、わかってんだよ、、、




アンタには分からねえだろうよ、




やめたくてもやめられねえ気持ちってのが、、、、






おい、帰る気だろ、





このまま家まで送ってもらう気だろ





帰さねえからな!?絶対送らねえからな!?」





A「分からないよ、





やめたくてもやめられないのは、





やっぱり心のどこかで良しとしてるからだよ





許してるからだよ、」






Aは淡々と続ける




小五郎「…、、そうかもしれねえな





俺は、しょうがねえって思ってんだ





諦めてんだ





こんなしょうもない男のしょうもない人生なんざ





こんなもんだってな」






小五郎のハンドルを握る手は少し強くなる






A「おじさん、




私より年上のくせにバカだね、アホだね





自分の人生、自分が諦めたら





おしまいでしょう、





何があってもどんなに暗闇にいても





自分だけはその道諦めちゃいけないんだよ」








真っ直ぐそう言うAの目に






小五郎は吸い込まれそうになる






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作者名:おぐら | 作成日時:2019年10月28日 4時

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