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土方「近藤さんよぉ、、、





なんで断んなかったんだ…?」





夜、隊士たちが寝静まった屯所では





そんな会話が聞こえた





近藤「ああ?、




Aさんのことか…?」





土方「あいつの話になんか乗る必要なかっただろ




犯人聞いてとっとと追い返せばよかっただろ、」





夜の月光に照らされて




土方が吐いたタバコの煙は白く光る





近藤「トシもあの場にいたら分かるさ、




あの真っ直ぐな目、揺るがない心




あの歳であんなツラしてる奴は、見たことがねえ」






近藤は、そう土方に笑う





土方「…にしたってなぁ、、、




あいつが欲しいのは強さだろ




強さってったって、所詮はガキだ、女だ…」






土方の、考えは間違ってはいなかった






Aを強くするよりも





真選組の誇りとプライドをかけてでも





捜査に協力してくれた方が助かる






そんなことは近藤もわかっていた






近藤「トシ…、、




お前の言ってることは間違っちゃいねえ、、





ただ、あいつは守りたいんだと、





ガキだ女だなんだの前に、人として





俺らが江戸を守りたいように





あいつは万事屋をあのバカ3人を





命かけて守りたいんだとよ





守りたいモンある奴は止められねえんだよ」







そういうと近藤は空を見上げた





土方もつられて空を見上げる






2人が思い出しているのは





昔の思い出だった







.






.









朝早く、まだ隊士も寝ている時間から





Aは起きていた







練習ができるほんのわずかな時間を






少しでも長く使いたかった







Aは正直焦っていた







今日にでも、宗魅に襲われるのではないか






事件の知らせが届くんじゃないか






そんな不安が片時も離れることはなかった






Aが真選組に来たのは





稽古をつけてもらいたいだけじゃなかった






ここにいれば江戸の情報が入ってくる





宗魅の情報が早く入ってくる






Aはそれを狙っていた






誰もいない道場に入り、冷たい床に足を踏み入れる







自然と昔のことを思い出していた







木刀を握る手から懐かしい記憶が蘇って






おじいちゃんの、依央利の立ち姿が浮かぶ






飽きるほど見てきたその太刀筋






見よう見まねで振ってみた







土方「お前…、、それ、どこで、、」







気がつくと土方がAを見ていた









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作者名:おぐら | 作成日時:2019年10月28日 4時

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