. ページ18
.
そこから先は断片的にしか記憶になかった
覚えているのはAは結局
2人に守られたということ
手も足も動かすことができなかったということ
そいつがあまりにも強くて
神楽も新八も勝てなかったということ
気づいたときには雨が降り始めていて
周りに人だかりができていて
神楽も新八も血に染まり倒れていた
神楽「、、、、A、、、っ、、、、」
力なくAを呼ぶ声
その神楽を踏みつけてそいつは言う
神楽「かはっ……!、、」
「人がこんなに…残念ですが、ここまでです
でも、わたくしはいつでも待っていますよ
君の可愛い弟とともに」
消えたそいつと
倒れた2人を色を失った目が見つめる
それは、6年前と重なる
A「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ」
Aの聞いたことのないその叫びは
絶望、責任、空虚、無情
たくさんの気持ちが混ざっていた
ふらふらと立ち上がったAは
倒れている神楽と新八を起こして両肩で支える
そのまま痛む足を引きずって歩く
流れる血は雨で滲む
痛む心を抑えて
ゆっくりゆっくり病院へ向かった
その目は何も映していなかった
恐怖さえも感じるその目を見ると
誰もそれ以上近づくことができなかった
A「ごめん、、、ごめんなさい、、
ごめんなさい…」
消えそうなAのその声は
新八と神楽の耳に届いていた
だが、2人とも声を出すことができず
そのまま意識を閉ざした
.
8人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:おぐら | 作成日時:2019年10月28日 4時