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依央利「Aは?最近どうなの
あの人たちとうまくやれてるの」
依央利は、3人がいることを知りながら
そんな質問を投げかける
A「べつに普通だよ」
依央利「辛くない?」
A「全然辛くない、、、楽しい、」
その言葉は、依央利も草むらの3人も黙らせた
依央利「楽しいなんて言葉、、、久々に聞いた
それに、なんだか顔つきが変わった」
A「そうかな、、
あの人たちといると締まりがなくなる」
そう言うとAは頬をギュッと上にあげた
依央利「はは、うん、締まりがない」
本当はそういうことじゃなかった
依央利が言いたかったのは
柔らかくなった
前よりずっと人間らしくなった
そんな意味だった
A「銀さん、、たちといると
心があったかくなるんだ
体中の、体温が上がる
らしくないこと、たくさんしちゃう、」
銀さん、、
依央利はさっきのくるくるパーマの男を思い出す
依央利「それが本来のお前なんだろ」
A「うん、、そうかも、
でも、これ以上幸せになったらいけないね」
そういうとAはまた悲しそうな顔に戻る
依央利「そんなこと、、、っ」
否定しようとした依央利の言葉は
A「依央利変わってなくてよかった」
わざと話逸らしたAに遮られる
依央利「…はぁ、、
まぁ、ね、
おれは、もともと曲がってるからね
いまさらあんなやつの1人や2人で変わらないよ」
A「はは、たしかに、、
じゃあ、そろそろ行くね、みんな心配しちゃう」
ベンチから立ち上がったAに
依央利は叫ぶように呼び止める
「おい!A、、
じいさんもおれもお前の幸せ願ってるから」
振り向いたAはなにも言わず
でもふっと笑ってそのまま歩いた
結局、連れ戻されることもなく
依央利は何しにきたのかAはわからなかった
本当に様子を見にきただけなのか、、
最後の依央利の言葉が
おじいちゃんの声と重なって聞こえる
「お前は幸せもんなんだよいい加減気づけ
いろんなもんの上でお前はちゃんと立っていられる
立ってまっすぐ歩いていられるんだよ、、だから...」
何故かそのあとが思い出せなかった
昔すぎるのか、、、
歩きながらAはそんなことを思っていた
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作者名:おぐら | 作成日時:2019年10月28日 4時