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Aは深呼吸してから
訳を話した
神楽と新八がやられたこと
敵は自分の仇であること
敵討ちをしたいということ
さっきまでとは空気が違う
近藤の部屋はしんと静まり返った
近藤「ってことはなにかい、
最近江戸を騒がせているあの事件の犯人と
お嬢さんは面識があるってことかい」
A「あります、」
はっきり、真っ直ぐ、そう断言するAに
近藤は目を見開いて食い入るように聞く
近藤「誰なんだ!それは!!!!」
A「それは、、、
私に稽古をつけてくださるなら
お話しします」
それは、卑劣なやり方
近藤「Aさん、、、、悪いけどね
これは、大事なんだ、
国が動くほどなんだ…
どんな理由があろうとも
それとその犯人を条件交換にはできない」
近藤のその目は何者でもない
真選組局長の目だった
これ以上は踏み込むことのできない
大人の領域だった
でも、だからこそ
Aもここで食い下がるわけにはいかなかった
A「分かってます、
私のはただのわがままです
だからこそこんな無謀な条件を提示しています!
これは賭けなんです、私の覚悟なんです
私が話さないと、
真選組はずっと事件を追い続けることになる
江戸での被害も増えていく
近藤さん、これは脅しです
私を強くしてください
私だってバカじゃないけど
近藤さんだってバカじゃないでしょう?」
近藤「…っ……、、、」
あまりにも折れないその屈強な芯に
真っ直ぐな思いに
近藤はなにも言えない
随分と年下のやつに言い負かされたもんだと
近藤は思わず笑みが溢れた
近藤「はっ、、、あんたの欲しい強さとやらが
江戸の人の命と並ぶと?
そんなわけねえだろ、、
俺たちは江戸のお巡りさんだ
おい、、、勘違いすんなよ、俺たちが守るのは
何があっても江戸だけだ
その江戸を守るためなら
どんな脅しも乗ってやるだけだ
3日…3日だけ稽古をつけてやる
だから、、、全部吐け」
そう言い切った近藤を見つめる
A「あ、、、ありがとうございます!!」
屯所にその声は響き渡る
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作者名:おぐら | 作成日時:2019年10月28日 4時