序章 ページ1
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A「あぁ…、、
とうとうお兄ちゃんの年齢を越してしまった…」
冷たい雨が降るかぶき町、深夜
ならず者の街をふらふらと歩く女はポツンと呟いた
青色の目をした女性
その青は鮮やかなんかじゃなくて
お世辞にも綺麗だとはいえなかった
紺色…そう表すこともできるような色
冷たく、暗い青色
それは、青藍の目である
あれほど来ないでと願った誕生日
そんな願いは虚しく、時計の短針と長針は12を示す
結局、何も叶わない
どんなに願っても何も叶わない
女はそれをだれよりも知っていた
知っていてだれよりも強く願った
もう、足の感覚もないほど
長い時間歩き続けている
このまま死んでもいい
それは、本望にも似た感情だった
ふっと力が緩んで楽になる
薄れゆく意識
顔が地面につくその瞬間
家族が笑ってる顔を見た気がした
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作者名:おぐら | 作成日時:2019年10月20日 7時