柑橘の香-2 (ページ36)

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無くし物と無くしちゃいけないモノページ36

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それは、急に訪れる

『え、あれ、』

ポケットを探す、洗面所を寝室を探す

神「Aどうしたアルか

うんこ漏らしたアルか」

『や、ちがう、、え、うそ』

(バンっ

神「ちょ、Aどこいくネー！！？」

『ちょっと、探し物！！』

脇目も振らずに走る

無くしたのは、石

いつまで持ってた？

いつからなかった？

なにも覚えてない自分に

腹を立てる
　

腹を立ててもしょうがない

とにかく心当たりのある場所を片っ端から探す

街中探してもみつからない

泣きそうになる

帰りたくなかったはずだけど

帰れる手段がなくなると焦る

帰る術がなくなった

なによりもお母さんからもらったものなのに…

どこ、、、どこにあるの、、

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銀さんside
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神楽のボケも適当に返して

血相抱えて出て行く

神「探し物だって、なに探してるアルか」

あまりに焦って飛び出すから

心配になる

新「あれ、いまAさん出てきましたか？

聞きたいことあったのに、

まぁ、いいや、銀さん」

『んぁ？』

新「これ、この石Aさんのですよね

僕、間違って洗濯しちゃったんですけど」

『！？』

探していたのはこれだと確信を持つ

あいつ、、、

『あのバカっ！！！』

気付いたら新八から石を奪って飛び出していた

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み、みつからない…

あたりが薄暗くなり始めて

もう見つからないよと言われてる気がして

どうしようと気持ちだけが前にいく

「危ねえ！！！」

不意に聞こえたその声の主は

光で包まれて顔が見れない

『え』

横を見るとすぐそこまでトラックが来ていた

間に合わない

体が動かなくなる

(ぐいっ

引っ張られた体は

すんでのところでトラックを避ける

(どん

体のバランスを崩したまま

引っ張ってくれた人と一緒に

尻餅をつく

　

そのままその人に抱きしめられるようにして転ぶ

「危ねえだろ、、、はぁ、はぁ、」

息遣いの荒いその人が

誰だかわかるから振り向けない

耳のすぐ近くで聞こえるその人の焦った声が

あんまり優しいから胸がきゅんとなる

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