【五条悟】マッチングアプリで会ってみたら同僚だった。

5話 どうでもいいことに限ってなかなか忘れない ページ5

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『遅くにごめんね。
もしよかったら、今週末会ってみない？』


砂糖さんからそのメッセージが来たのは金曜日のというより土曜日深夜の1時を丁度回るような頃だった。
私は土日はオフだから、て先週休めなくて溜まっていたドラマの録画をアルコールの低いお酒をちびちび飲みながら見ていた。
通知にはすぐ気付いて、メッセージ画面に飛ぶ。


「…今週末、て今日か日曜だよなぁ。ちょっと急だなぁ」


先週休めなかったからちょっと休みたいなぁ、なんて思うけどそんなこと言っていたらずっと会うことなんて出来ないだろうし、真面目に恋人を見つけようとしてるとか思われなくなっちゃう。
きっと、日曜でいいよね。


『大丈夫ですよ♡
えぇっ！是非会いたいです〜♡
日曜日とかでも大丈夫ですか？』

『本当？』


返信は驚くほど早かったんだけど。
本当？てどういうこと？て思っているとまたメッセージが更新される。


『待ってめちゃくちゃ嬉しい。
日曜日大丈夫だよ』


ただ画面を通してどこかの誰かとやり取りをしているだけなんだけど、いつもより崩した話し方で嬉しい、と言ってくれたことに少し胸が高鳴る。
28歳までなって恋(？)にときめくことなんてあるのかな、なんて考えながらどこで会うだの何時だのメッセージをやり取りする。


『私すごく嬉しいです、楽しみにしてますね』


「あ、ハート忘れてた。突然冷めたみたいに思われないかな…」


心から出た言葉を自然と打って、それを送信してしまったけどあんまりあぁ、やっちゃったなぁ、とは思わなかった。


『じゃあ、おやすみ』

『おやすみなさい♡』


画面を閉じて、後ろのベッドに顔を埋める。完全にまだ一日あると言うのに小学生が遠足が楽しみで眠れないような気分と言っても過言ではないほど、余韻に浸ってただの文字を頭に思い返す。

いやでも、もし会ったら顔全然違ったら？めちゃくちゃに騙されていたとしたら？
唐突に怖くなってきた。それでも、上手く行ったら…と考えて嬉しさに枕をぼんぼん、と叩いた。




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