【原神】月の命日 (ページ20)

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遺跡に入った途端、私の身体は軽くなった。
やっぱり私は、グシオンって人と何かしら関係があるのだろうか。

しかし、皆さんはどこに行ったのだろうか。
私だけが一人ここにいる。
下に落ちたら死ぬような高さ。

皆さんと合流出来るように、先に進もう。

「……!!」

何処かが崩れる音がした。
入った時から思ったが、ここはあまりにも建物がボロすぎる。

けど、私が進んでる道はわりかし綺麗だ。

グシオンは、私を何故呼んだの？

「まじか……。」

目の前に、物凄い段数の階段が。
今の状態なら大丈夫だろうが。流石にキツそうだ。

頑張ろう。
私は真実を知りに来たのだから。

私は階段を一段上がった。
それと共に、頭に何かが流れてきた。
さらにもう一段…先に進んだ。

『ねぇ、モラクス。私達はずっと一緒よね？』

『契約でもするか？』

『好きっていう気持ちを契約で縛るの？はぁ…。約束しようよ。』

モラクス…。岩王帝君……？

『名前を変えたいの。瑠璃なんてどう？』

『グレモリーじゃ嫌なのか？』

『んー。なんか嫌なの。それに、私は琉璃百合が好きだからね。』

『瑠璃。』

心が温かくなる。
彼女は恋をしていたのだろう。

『この地も大分傷ついたわね…。え……？』

その時。感覚としては何か闇に飲み込まれた感じだった。

『瑠璃！開けてくれ！』

『……もう来ないで、モラクス。』

『ごめんなさい……。貴方を危険な目に合わせているわね。』

『大丈夫だよ。私は身体が強いからね。アイツが大切なんだよな。』

『この病は私で留めとかなきゃ……。』

『……。』

彼女を看病しているのは誰？
なんで病なんかに……。

『グレモリー！！』

『グシオン…お願い……。私を取り込んで……。このままじゃ、璃月が危ない……。』

『っ……！！』

私の瞳に映ったのは、雨の中…涙を流す青年。

私の瞳からも涙が流れていた。

『グシオン…死ぬ覚悟は出来てるか。』

『あぁ。出来てるよ、モラクス。』

＿＿＿＿私はただ…彼女に幸せでいてほしかっただけなんだ。

最後の段を上りきった頃には、私は私じゃ無くなっていた。

「あ……あぁ……。」

溢れる涙が止まらなかった。

グシオン……。

それでも、私は前に進まなけゃ行けない。
私は涙を拭った。

止めなきゃ。あの人を。

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