【原神】月の命日 (ページ14)

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不穏な気配ページ14

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「ちょっと顔を洗ってきますね。」

「うん。ここで待ってるね。」

泣いた顔を綺麗にするために、彼女はその場を離れた。
彼女が離れたことにより、二人きりになった旅人とパイモンは何か話そうとしていた。が。

「旅人。」

「魈……？」

何処からかやってきた魈に邪魔されてしまった。
しかし彼の顔は何処か険しかった。

「アイツは何者だ？」

「柊朔のことか？」

「そうだ。なんだあの禍々しい感じは。」

二人して『えっ』という顔をする。

「柊朔は病にかかってるからかも。」

「だとしても、もっと他になにかある。……あの方には絶対近づけるな。」

「あの方って……？」

「鍾離先生(岩王帝君)のこと？」

魈は頷いた。
それを見て顔を合わせる旅人とパイモン。

少し言いにくそうに、彼に言った。

「鍾離と柊朔はもう既に接触してるぞ。」

「！」

「魈。本当に柊朔さんは悪い人とかじゃないよ。もうそう長くないみたいだか、お願い。彼女に何かするなんてしないで。」

「……。」

旅人の言葉をちゃんと聞いたのか分からないまま、彼は姿を消していった。

疑問が残ったままで、いなくなられたので何処かムズムズする二人。
けど、二人は柊朔を信じていた。

「おまたせしました。」

「お帰り〜。」

「すみません、先程は……。ちょっと気持ちが沈んでしまって。」

「大丈夫だよ。仕方ないよ。」

二人は何もなかったかのように普通に接する。

「月送りまで生きられるといいのですが。」

「なんだそれ？」

「毎年秋頃に行われるイベントです。表向きは秋の実りに感謝する行事なのですが。どうやら裏にはなにかあるみたいなんですよね。大量の琉璃百合が見られるんですよ。璃月港で。」

「え？でも、琉璃百合って秋までに保つのか？」

「それが毎年の不思議なところなんですよ。」

彼女はそう言った。
既にもう秋に突入している今。
だんだんに琉璃百合は姿を消している。

そんな秋真っ只中で行われるイベントで、大量に咲いた琉璃百合が見られるのだから不思議である。

「まぁ、今どき品種改良とかありますからね。」

特に今は琉璃百合の事は気にしないでいた。