もしもの話※リクエスト ページ23
もし明日、私が居なくなったらどうする?
と言ってみた
_____
空
「…ダメだよ、絶対に」
何か、思い出したのだろうか。
真っ直ぐAちゃんを見つめているが、微かに震えていて。
これ以上、これ以上失う訳には。
「A、Aは、…、俺を置いていかない、よね、…!」
自然に振る舞う為、取り繕った微笑みを向ける。
だが、顔は引きつっており、いかにも憂鬱を身に浴びている様で。
蛍
「…ぇ、と…、…」
唐突なる質問に言葉を濁す。
震える手。指を絡ませて必死に耐える。
Aちゃんが居ない事は、蛍にとっての光が一つ、消えることを意味する。
「嘘、だよね。そんなはずない、絶対、…ね、そうだよね」
自分に言い聞かせたところで不安が薄れることはなく。
どこにもいかないよね、なんて呪文の様に''蛍自身''に呟いた。
ウェンティ
「へぇ、どこか行くあてがあるの?」
ニコニコと笑って、そう言う。
''行く''とは、一体。忽然と姿を消すかもしれないのに。
どうせ冗談でしょ、と、それでもウェンティは笑っている。
「…キミはどこにも行けないよ、きっとね。」
確信しきって、安堵していて。
自身に縛り付けて、逃げられなくして。
魈
「…探す。我の名を呼ぼうが呼ばまいが、必ず。」
もし。もし現実になってしまえば、魈は半狂乱でAちゃんを探す。
息が切れようと、怪我をしようと、命の危険があろうと。
Aちゃんは魈にとって幸せの象徴であり、命の様に重く、大きなものになっているのだから。
「…、どこにも、いかないで欲しい」
ぽつり、と本心を漏らす魈。
願望であり煩悩。知っているが、誰よりも、知って、いるのだが。
Aちゃんだけは失う訳には。そう強く決意して。
万葉
「…そ、れは、それは…Aは酷な事を言うでござるな」
ぎこちない笑みを浮かべて。
その笑顔が解けるのもあと数刻。
笑っていようと、本能が騒ぎ立てる。不安が掻き立てられて、つぅと額に冷や汗がつたる。
「Aを失うなど…、拙者は、拙者、には…」
到底耐えられない。
想像してはひゅ、と息が詰まって。
縋る様に抱きしめた万葉。顰蹙して、Aちゃんの肩口に顔を埋める。
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初心者 - 最新作まで全て読んで今2週目読んでます!やっぱり全キャラの解像度高くて想像しやすいです。応援してます。 (3月31日 23時) (レス) @page47 id: e7dcc6ce69 (このIDを非表示/違反報告)
杏仁豆腐のスプーンになりたい - え?なに?魈様かわいすぎないですか?ニヤけちゃうんですけどどうしてくれるんですか??これからも応援しますけどなにか? (3月30日 18時) (レス) @page41 id: 6ae8607e98 (このIDを非表示/違反報告)
可わ井 - 甘雨ちゃんの財布さん» アハン!!!!!ありがとうございます!!!!????? (5月22日 21時) (レス) id: 18c22d25ea (このIDを非表示/違反報告)
甘雨ちゃんの財布 - あああああスキッッッッッッッデスッッッ私のモチベ分けますね!!!!!(?) (5月18日 17時) (レス) @page45 id: bf3dd9c151 (このIDを非表示/違反報告)
可わ井 - 朱夏さん» 気づけてもらえて良かった!!!!!!!!!!!いえいえこちらこそリクエスト、コメントありがとうございました (2023年5月8日 20時) (レス) id: 18c22d25ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:可わ井 | 作者ホームページ:http://commu.nosv.org/p/maru2525v
作成日時:2023年2月26日 22時