トリップしたから推しに愛を語ろうと思う (ページ8)

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6話ページ8

『ちなみに体力がないので無理しないと長時間歩けません』

蛍「無理すれば歩けるんだね？」

『あ、これ無理する前提な感じだ…』

多少は。でも本当に無理になったら言って。そう言いながら歩き始めた蛍ちゃんは、やっぱりかっこいい。

女の子なのにかっこいいって何だろうか、皮肉？良い意味で。

蛍「って言っても、暫くはモンドに居るからあまり焦らなくて大丈夫」

『そうなんですか？』

パイモン「あのな、今西風騎士団が追ってる悪い奴らが居て。そいつらを捕まえるって約束したから、見つけて捕まえるまではモンドに居る事になってんだ！」

なるほど、なるほど。…うーん？

悪い奴ら、とは。ファデュイかアビス？…だとしても、王子様になっている空くんの事が分かったと言う事は既に璃月編は過ぎているのではないだろうか。その後で「悪い奴らを追う」なんて展開あっただろうか。自分が始める前のイベント、とか？…うーん、分かんない。

可能性的には、ゲーム沿いじゃないのかもしれない。否、それは覚悟していたのだけど。想像以上にゲームと違うとしたら、自分の知識はほとんど無駄になるのでは？

…いや…自分が来た事で均衡が崩れたのだとしたら？

だとすれば、ここまでの知識に何ら違いはないのだろう。…それならもうあとは何でも良い。安心だ。

『自分役に立ちません』

蛍「期待してないから」

『そんなにはっきり言う…？？…待って！？騎士団！？ジンさん！？ガイアさん！？』

パイモン「旅人、オイラこいつはガイアとだけは会っちゃいけない気がするぞ…」

蛍「私も」

『どうして！！？』

ガイアさんと言えば、ゲームでストーリーを進めれば手に入る、所謂「初期キャラ」である。初期キャラで言うと比較的使いやすく、火力もあったガイアさんは自分のお気に入りキャラの一人であった。

食えない性格してるなって思ってたし、ストーリーを読めば読むほどに知識が深まり、それと同時に彼の闇深さを知った。そのお陰でもっと好きになった事は今でも覚えている。

…ガイアさんとディルックさんの関係性に頭を抱えては、『義兄弟幸せになれ〜！！？』と日々叫んでいたものだ…

『ガイアさんに会ったら愛の言葉を告げます』

蛍「？ディルックさんが好きなんじゃないの？」

『自分好きな人たっくさん居るんですよね…』

蛍「…ああ、そう」

そんな呆れた風に言わなくても。