トリップしたから推しに愛を語ろうと思う (ページ1)

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プロローグページ1

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異世界転生、トリップ物

今どき少女漫画でも少年漫画でも流行りのジャンルである。内容はその名の通り、元いた世界とは別の世界にトリップや転生をすると言うもの。

同じ異世界物でも違いはある。それこそ、トリップと転生の違い。転生していくつか歳を重ねてから前世を思い出す事もあれば、気が付いたらトリップしていて異世界の誰かに憑依してしまっていたり。聖女としてその世界に召喚されたり…と本当に様々である。

自分はそんな異世界物が大好きだった。

だって、そんな非現実的な事が実際には起こらないと分かっていたから。人間と言うのは、実際には起こりえない事を好む傾向があるものだ。…自論だけど。

とは言え、それは全て、物語の中の事。

そう、本気で思っていた。

トリップを信じている、転生出来るはず、なんて言ってみろ。周りからは冷たい目で見られるし、馬鹿にされる。一部そうじゃない人達も居るかもしれないが、実際出来たとしてもそれは選ばれし者とかそう言ったあれだろう。神様に愛されたとか、そんな感じだ。

自分はそうじゃないと分かっていた。言ってしまえば平凡な人間なのだと。

だからこそ、もし、もしも。トリップとか、転生とか。そう言うものが出来たとしたら…

もしその世界が、自分の大好きな世界なのだとしたら───

『えっっっ…マジで？結婚してください』

「………はあ？」

惜しむ事なく、推しに愛を語ろう。

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