冷や汗 ページ3
『わぁお』
浅い眠りから覚めて、まだ少し痛む頭を抑えながら自分の執務室へと足を運ぶともうヌヴィレットさんはいなくて、代わりに全て片付けてある書類と置き手紙だけが机に置いてあった
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おはよう
書類はほぼ片付けておいたのだがひとつだけお願いしたい書類がある
手違いがあり、渡さなくてはいけない書類なのだが君に頼んでもいいだろうか
私が手配しておくからこの書類をメロピデ要塞に届けてほしい
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そんな置き手紙の隣に数枚の書類
『メロピデ、要塞?』
『あ、おっけーおっけー。遠回しに監獄行きってことね?』
てかあそこ別に罪犯してなくても行けるの?
法廷の管理下じゃないから無理だと思ってたんだけど、行けるんだ
『胃が痛いよ』
キリキリ痛むお腹をさすりながら私はメロピデ要塞に行く準備を始めた
要塞入り口で待っていた人に「ヌヴィレット様からのご命令で貴女を護送することになりました」と堅苦しい挨拶をされ、ペコリと頭を下げる
「あの、噂でよくお聞きするんですけど、もしかしてAさんでしょうか?」
護送中、そう突然警備員の人に聞かれた
噂って何??
まってやばいよこの流れ。私これほんとにメロピデ要塞に入れられるんじゃないの???
『う、噂って、どんなのですか?』
冷や汗を垂れ流しながら恐る恐る聞くと
「ヌヴィレット様とご親密な関係にあり、フリーナ様を従わせていると………」
うわーい!!これ完全にメロピデ要塞行き決定でウケるんですけどォ〜〜!!!!
「?!A様?!白目剥いてますよ?!A様?!?!」
『ハッ!!……あぁすいません。気にしないでください。それよりその噂どこで聞いたんですか?ひとっつも当たってないんですけど』
倒れかけた私を狭いエレベーターの中で支えてくれた警備員のお姉さんに謝罪をしてヨロヨロと立ち上がる
「人づてに聞いた噂でして……」
『あー、ははは、そ、そうですよねえ!私が!まさか!そんなはずないんで!』
『噂流している人に言っておいて下さいね。私はそんな奴じゃないですよと』
タイミング良く言い終えた瞬間にエレベーターが止まった
警備員さんにペコリとお辞儀をして「ここまでで大丈夫です。ありがとうございました」と一言添えて私は受付まで歩いて行った
冷や汗をさっきの倍流しながら
『(あっぶな。ヌヴィレットさんと水神の関係知られたら私この国でやっていけないんだけど)』
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も - 更新楽しみです!これからもがんばってください! (5月3日 1時) (レス) @page11 id: cd6e13745c (このIDを非表示/違反報告)
天羅(プロフ) - もう面白いですw更新楽しみにしてます! (10月2日 2時) (レス) id: 6dc471422c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おさけ | 作成日時:2023年10月2日 2時