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「ふむ、お主の戦闘力は実に申し分ないものであった。たとえ決勝戦の相手が素早くとも、お主の隙を突くことはできまい」
万葉は冷静に空の戦闘力を洞察し、彼を褒めた
万葉はそばにあった海を眺める
「決勝戦に進出した人物は、呼吸の調整と体幹の維持を得意とし、常人離れした動きを行う」
万葉は観戦中に見た相手のことを空に話した
「そやつの勝利は、そのほとんどが視角外からの奇襲によるものであった。言い換えれば、ーー隙を突かれぬよう気をつければ、そやつの攻撃におびやかされる心配もないであろう」
「ありがとう、油断はしない」
万葉の助言に空は礼を言う
「礼には及ばぬ。常軌を逸した元素力の技を見ることができた。礼を言うのは拙者の方でござるよ」
万葉は目を細め、空に礼を言った
「やはり、この世は摩訶不思議。常に未知なるものが現れる」
万葉の唇が緩む
この世界の未知なる部分にうずうずしている様子
「なんだかおまえって、神の目に対してすごい執着してるよな…」
するとパイモンが万葉の気になった部分について話した
今回の武闘会の賞品でもある神の目
あれも万葉が持ってきたもの
それに神の目がなくとも空が使えている元素について、気になっていた
「でも、おまえはもう持ってるんだろ?元素力とか神の目について、そこまで調べる必要はないんじゃないか?」
パイモンは万葉に視線を送る
彼にはすでに左肩に風元素の神の目が備わっていた
「拙者が知りたいのは、神の目が神にとって何を意味するのかということ。何をもって神は、神の目を人に授けるのか?」
万葉はその丸い瞳で空を見渡す
神の目に意味について不思議がっていた
「すまぬ、お主らにとっては訳の分からぬ話であったな」
万葉は苦笑する
「不思議な力を見せてくれた礼に、稲妻について聞きたいことがあれば拙者が答えよう」
万葉は空が望むことを返そうとした
しかし空が気になっていたことはーー
「その“訳のわからない”ことが知りたい」
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作者名:真灯 | 作成日時:2023年3月18日 17時